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坪単価50万円台だとどんな家になる?
坪単価50万円の家は、坪単価の安いローコスト住宅や、高級ハウスメーカーが提供する家と比べてどのような特徴があるでしょうか。また、どんな人に向いているのでしょうか。それらを詳しく解説するとともに、そもそも坪単価とは何か?についても確認しましょう。
そもそも坪単価とは
住宅の床面積1坪(畳2枚分、約3.3㎡)あたりにかかる建築費のことを、坪単価といいます。坪単価は建物の本体価格を延床面積で割って計算します。たとえば本体価格2000万円で延床面積が40坪なら、坪単価は50万円です。ひとくちに坪単価といっても、さまざまな要因で金額が変わります。金額が異なる要因の1つは、坪単価の算出方法の違いです。坪単価は、住宅の床面積1坪あたりにかかる建築費のことだと説明しましたが、この床面積の根拠は住宅メーカーによって異なります。ベランダや地下が含まれる「延床面積」であるのか、含まない「施工面積」であるのかによって、同じ建物でも坪単価が変わってしまうのです。また住宅の規模、グレード、間取りが同じでも、地盤改良などで費用がかかっている家は坪単価が高くなります。ハイグレードなシステムキッチンやシステムバスにしても、内装や外観のコストを低くすれば坪単価を抑えることが可能です。このように、算出方法や費用のかけ方によって坪単価は変わります。坪単価の額に左右されるのではなく、参考程度にすると良いでしょう。
坪単価50万円は、安いのか高いのか
家を建てる地域や家の構造によって坪単価は異なりますが、注文住宅の坪単価の平均は60万円~70万円といわれています。また住宅金融支援機構の2019年のデータによると、一坪あたりの工事予定額は全国平均でおよそ66万円です。この数字から考えると平均的な坪単価の家と比べて、坪単価50万円台の家は全国平均並みかやや安い家といえるでしょう。
坪単価50万円台の家の特徴
では、坪単価50万円台の家にはどのような特徴があるのでしょうか。間取りや設備、広さなどを坪単価40万円までの家、および坪単価60万円以上の家と比較してみましょう。
坪単価50万円の家は40万円までの家と比べてこだわれる
坪単価50万円の家は、坪単価40万円までの家と比べて、自由度が高くこだわりを発揮することができます。家のすべてをハイグレードなものにすることは難しいかもしれませんが、家の一部にこだわりを詰め込められるということです。たとえば食洗機付きのシステムキッチンを導入したり、タンクレストイレを設置したりといった設備にこだわることができます。またLDKのフローリング素材をハイグレードなものにしたり、大きな窓を取り入れたりすることも可能です。
坪単価50万円の家は60万円以上の家と比べると自由度は低い
坪単価60万円以上になると、より自由度が高くなります。たとえば、一般的な窓に採用されている引き違い窓ではなく、取手を回転させて開ける「はめ込みの窓」を設置できます。もしくは、扉を天井までの高さのあるものに変えるといった変更を、家の多くの箇所でかなえることができるでしょう。
坪単価50万円の家はどんな人におすすめ?
ローコスト住宅よりも自由度が高く、こだわりが発揮できる坪単価50万円の家は次のような人におすすめです。
- 高級ハウスメーカーでなくてもよい人
- 間取りにある程度の自由度が欲しい人
- 省エネ性能を求める人
- キッチンやリビングなど「こだわり」のある人
高級ハウスメーカーでなくてもよい人
坪単価50万円の家は、高級ハウスメーカーでなくてもよい人におすすめです。大手ハウスメーカーの坪単価は50万円~70万円程度ですが、高級ハウスメーカーになると坪単価80万円~100万円になることもあります。高級ハウスメーカーで家を建てたいと思う場合は、坪単価50万円台の予算では建てられないかもしれません。
間取りにある程度の自由度が欲しい人
パターン化されたものの中から間取りを選ぶ必要があるローコスト住宅と比べて、坪単価50万円台の家は、間取りをある程度自由に設定できます。坪単価50万円台の家は、間取り設計に自由度が欲しい人にも向いています。
省エネ性能を求める人
坪単価50万円代の家は、ローコスト住宅と比べて、省エネ性能が高いことも特徴の一つです。ある程度の省エネ性能を求めるのであれば、坪単価50万円台の家をおすすめします。
キッチンやリビングなど「こだわり」のある人
上述のとおり、坪単価50万円の家は、家のすべてを自分の希望通りにすることは予算的に難しいでしょう。しかし一部のフローリングを無垢材にしたり、壁紙を消臭機能のあるものにしたりといったこだわりをつめこむことができます。そのため、一部でもこだわりのある人は50万円台の家に向いているといえます。
坪単価50万円台の家の建築例
坪単価50万円台の家の特徴や、向いている人が分かったところで、実際の建築例を2つ紹介します。どちらも家の様々な部分にこだわりを取り入れた家になっています。
ウッドデッキが自慢の家
広いウッドデッキ付きの中庭、広い玄関収納、洗濯脱衣室と浴室につながる洗濯物干しにも便利な動線など、家族みんなが過ごしやすい家です。主寝室の奥の壁一面にはもみの木のタイルを貼ってあり、こだわりを感じさせます。
2つの動線が確保された家
家族用と来客用、玄関から2つの動線が確保された家です。家族は洗面室とクロークを通り家に入るため、暮らしやすい間取りになっています。リビングの一角にある和室を子どもの勉強スペースにしたり、リビング内階段を採用したりするなど、家族間のコミュニケーションがとりやすい工夫がされた家です。洋室にはアクセントクロスを使用し、こだわりを感じさせます。ウオークインクローゼットやカウンター、書斎も完備され、プライベートな時間も充実しそうです。
坪単価50万円台の家の費用を解説
住宅金融支援機構が発表した2019年のデータによると、新築住宅における床面先の全国平均は118.93㎡(約35.7坪)です。間取りでいうと3LDK~4LDKが主流となります。この数字を参考に、床面積を35坪とした場合の、坪単価50万円台の家にかかる費用について、以下の3点を確認しましょう。
- 家を建てる際にかかる費用と坪単価
- 坪単価50万円台の家にかかる費用
- ローン返済の例
家を建てる際にかかる費用と坪単価
はじめに説明しましたが、坪単価とは、建物の本体価格を延床面積で割って算出します。あくまでも建物価格ですので別途工事費や諸経費は含まれていません。当然家を建てる際には、本体工事とは別にさまざまな工事が必要になりそれぞれに費用がかかります。一般的に、建物の本体工事以外に次のような工事が必要です。
- 水道の引き込み工事
- 給排水工事
- 外構工事
- 地盤改良工事
これらの工事にかかる金額は土地や物件によって異なります。建物価格は2,500万円でも、地盤改良工事に別途1,000万円必要となったケースもあります。これらの工事費のほかに、ローンの手数料や税金などの諸費用も必要です。家を建てるときにかかる金額は、少なくとも建物価格の2~3割増しで考えておくとよいでしょう。
坪単価50万円台の家にかかる費用
では、具体的に坪単価50万円台の家にかかる費用を計算しましょう。坪単価50万円台といっても50万円~59万円まで幅がありますので、50万円と59万円の両方の額を確認します。・坪単価50万円の場合50万円×35坪=1750万円・坪単価59万円の場合59万円×35坪=2065万円ただし、繰り返しになりますがこの金額はあくまで建物の本体価格です。この金額に加えて別途工事費や諸経費がかかります。
ローン返済の例
では上記の費用(本体価格のみ)でローンを組んだ場合、返済金額はいくらになるかシミュレーションしましょう。シミュレーションの条件は、
- フラット35を利用
- 借入期間は35年
- 金利は1.51%
- ボーナス払いなし
とします。借入金額が1,750万円(坪単価50万円)の場合、総返済金額は2,255万円になります。毎月の返済額は5.4万円です。借入金額が2,065万円(坪単価59万円)の場合、総返済額は2,660万円になります。毎月の返済額は6.4万円です。国税庁がおこなった平成30年度民間給与実態統計調査によると、平均給与は441万円です。この数字をもとにフラット35で借り入れ可能金額を計算すると、4,194万円になります。本体工事費以外の諸経費を含めても、平均前後の収入がある人であれば、坪単価50万円台の家のローンを組むことができるでしょう。
家を建てる際の注意点
ここまで坪単価50万円の家の特徴と費用感を説明してきました。ここからは、実際に家を建てる際の注意点2つを確認します。坪単価に含まれる金額や面積を確認すること、不要なオプションや設備を避けることです。
坪単価に含まれる金額や面積を確認する
繰り返しになりますが、坪単価の算出に用いられる床面積の範囲はハウスメーカーによって異なります。ベランダやポーチなど、本来延床面積には含まれない部分も含んだ施工面積で計算していることもあります。また屋外設備などにかかる別途工事費や諸経費は含まれていません。そのため、必ず以下の2点を確認しましょう。
- 本体価格以外の費用も坪単価に含まれるのか
- 計算の根拠となる延べ床面積に含まれる範囲はどこか
提示された坪単価だけを見て「安く家を建てられる」と判断するのは危険です。坪単価は目安として把握しておき、諸経費などを含めた総費用がいくらになるのか事前に確認しておきましょう。
不要なオプションや設備を避ける
坪単価50万円台の家を建てようと思っている人は、多少予算に余裕があるといえます。予算に余裕があるため細部にこだわることもできるという一方で、不要なオプションや設備を入れてしまうこともあるでしょう。そのため、思った以上の費用がかかってしまうこともあります。後悔しない住宅設備やオプションの選び方は次のとおりです。
オプションが本当に必要なものか検討する
一番大切なことは、そのオプションが本当に必要なものかどうかを判断することです。家づくりの過程では、多くのオプションを追加して予算オーバーになってしまうことがよくあります。本当に必要なオプションかどうかしっかり判断するためにも、事前に設備メーカーのカタログを取り寄せ、欲しい機能の優先順位を決めておくとよいでしょう。
メンテナンスにかかる費用や手間を考える
オプションで選んだ設備に不具合が発生した場合、その設備がすぐに取り寄せできるものなのかを確認しておきましょう。取り寄せまで時間がかかったり、代替品がなかったりした場合、生活に支障をきたします。メンテナンスに手間や費用がかかってしまっては、せっかく入れたオプションの価値がありません。希望のオプションがある場合、保証の範囲や期間について事前に確認しておきましょう。
スイッチやコンセントに注意
スイッチやコンセントの数や位置は、住んだ後に後悔しやすいポイントの一つです。数が足りなかったり位置が悪かったりしないよう、間取り図を見て生活動線をイメージしましょう。その際に家具や家電の配置を考えておくと、スイッチやコンセントの数を決めやすくなります。
まとめ
坪単価50万円の家の特徴は、ローコスト住宅よりも間取りや設備の自由度が高く、高級住宅よりも自由度が限定されるということです。家にある程度のこだわりがあり、かつ必要以上に費用をかけたくない人に向いているでしょう。平均的な家の坪単価は60~70万円といわれていますので、坪単価50万円の家は標準か少し安い家ということになります。坪単価50万円台でほかの人がどのような家が建てているのか、もっと知りたい人は建設会社に資料請求してみましょう。より具体的に特徴がつかめるはずです。
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