坪単価 100万円台の高級注文住宅の特徴は?総費用や注意点を解説

坪単価100万円の注文住宅と聞くと、「豪邸」というイメージを持つ人がいるかもしれませんが、決してそのような豪邸だけではありません。延床面積が広くなくても外観がシンプルでも、自由な間取りとハイグレードな設備を備えた住宅もまた、高級注文住宅です。この記事では、高級住宅の特徴と一般的な注文住宅の違い、建築にかかる費用と住宅ローンについて解説します。建築実例も紹介していますので、参考にしてください。

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坪単価100万円は高級注文住宅

高級注文住宅といっても、どの金額をもって「高級」とするのか明確な基準があるわけではありません。明確な基準はないものの、目安にできるのは坪単価です。坪単価とは一坪(約3.3㎡)あたりの建築費のことをいいます。坪単価の計算方法は「建物の本体価格」を「延床面積」で割ることで算出します。たとえば建物の価格が1,500万円で延床面積が30坪の場合、「1,500万÷30坪=50万円」です。一般的な注文住宅の坪単価は60万円~80万円程度といわれていますので、坪単価が100万円の家は高級注文住宅といえるでしょう。まずは、高級注文住宅と一般住宅との違いについて、間取り面・デザイン面・設備面にわけて説明します。

高級注文住宅と一般住宅との違い

高級注文住宅には、一般住宅と比べて、

  • 自由度が高い
  • 高品質
  • 高耐久
  • 安全性が高い

という特徴があります。この中でも最大の特徴は、自由度が高いことです。一般的な注文住宅に比べて費用を多くかけられる分、こだわりや希望を思う存分反映した理想の家を建てることができます。ここでは、間取り面、デザイン面、設備面についてその自由度を説明します。

間取り面

一般的な注文住宅では、予算の都合上、間取り設計で制限がかかることが少なくありません。たとえば2階建てにする場合、1・2階が同じ面積の「総2階建て」にしかできなかったり、家全体を平面図で見て四角い形にしなければならなかったりします。高級注文住宅なら、自分の思いや希望を反映させた間取りを実現できます。特に個人の希望にとことん応えてくれる設計事務所に依頼すれば、ハウスメーカーでは実現できない個性的な間取りの家にすることができるでしょう。家自体の床面積だけでなく敷地面積にも余裕があるケースが多いため、広い庭やテラスをいかした間取りも可能です。

デザイン面

高級注文住宅はデザイン面の自由度も高くなります。建物は四角形に近いほど建築費は安くなります。そのため少し変わった形の家にしたくても、予算が足りなくて四角形の家で妥協する人も少なくありません。高級注文住宅を建てる予算がある人は、家の形をちょっと変わったものにすることも可能です。手を抜きがちな外構デザインにもこだわることができるでしょう。窓の数や形、玄関ドアなども自分好みに仕上げることができます。

設備面

高級注文住宅は設備にもこだわることができます。たとえば、仕様の決まっているシステムキッチンではなくオーダーメイドの造作キッチンを取り入れることもできるでしょう。土台部分がガラスブロックになっているキッチン台、円のようにぐるりと取り囲むデザインなど、自分だけのキッチンが作れます。テラスが臨める開放的なバスルームを設置したり、洗面台の素材を陶器にしたりも可能です。予算に余裕があるため、その選択肢は無数にあるといえるでしょう。

坪単価100万円の家の場合にかかる費用

では、坪単価100万円の家を建てるにはどの程度の費用がかかるのでしょうか?住宅金融支援機構の2019年のデータによると、注文住宅を建てる際の平均的な床面積の広さは約35.7坪(118.93㎡)です。これに坪単価の100万円をかけると3,570万円になります。この結果から、3,570万円で坪単価100万円の家が建てられるのかというと、決してそうではありません。この3,570万円という数字は、建物本体にかかる本体工事費だけの金額です。家を建てる際にはこの本体工事費以外にもさまざまな費用がかかります。そこでここでは、家を建てる際にかかる費用を以下に分けて解説します。

  • 建築費(本体工事費)
  • 設計費
  • 付帯工事費やオプション
  • 諸費用

建築費(本体工事費)

家本体を建てるときにかかる費用のことです。注文住宅を建てる際にかかる総費用のうち、75~80%が本体工事費であるといわれます。ハウスメーカーにもよりますが、仮設工事や基礎工事といった基礎・構造づくりから、外装や屋根の工事、窓やドア、断熱剤やタイルの取り付け、住宅設備の設置工事などが本体工事費に含まれます。ハウスメーカーの広告などでよく使われる「住宅価格」は、この本体工事費のみをさしていることがほとんどです。しかし実際に家を建てる際は、ほかにも費用がかかりますので注意しましょう。先ほど説明したように、平均的な床面積で計算した坪単価100万円の家の本体価格は3,570万円です。総費用の80%を本体価格が占めると仮定した場合、坪単価100万円の家にかかる総費用は約4,462万円となります。

設計費

家の設計作業に対して支払う費用です。設計作業に加えて、工事が設計図面のとおりにおこなわれているかチェック(=管理)する作業を含める場合には、設計管理料ともいいます。一般的な工務店やハウスメーカーの設計費の相場は、総費用の2~5%前後といわれています。仮に設計費を総費用の2%とした場合、坪単価100万円の家にかかる設計費は約90万円です。

付帯工事費やオプション

家を建てる際には、建物本体の工事費以外にもいろいろな工事が必要となります。当然のことながら、これらの工事を行う場合は、追加費用が必要です。それぞれ簡単に説明します。

造成工事

田んぼや畑がある土地を宅地にするためにおこなう工事のことです。凸凹した土地をならしたり、草木を伐採したりします。

基礎補強工事

地盤が軟弱な場合などに必要な工事です。液状化や地盤沈下を防ぐためにおこなわれます。地表面にセメント系の材料を混ぜて固めるだけですむこともあれば、硬い地盤に達するまで杭を深く打つ工事が必要となるケースもあります。おこなわれる工事の種類によって費用はまちまちです。ただしハウスメーカーによっては、これらの付帯工事を本体工事費に含むこともあります。どこまでを本体工事費に含むかはハウスメーカーによって異なりますので、内訳を確認しておきましょう。これらの工事費用のほかに、オプションを選ぶことで追加費用が必要となります。たとえば標準仕様の間取りを自分好みのものに変更したり、キッチンや床素材をグレードアップしたりするといったことです。

諸費用

諸費用とは次のようなものをいいます。

  • 登記費用
  • 印紙代
  • 不動産取得税
  • 住宅ローン手続き費用
  • つなぎ融資費用
  • 火災・地震保険費用
  • 各種負担金

これら諸費用は、本体価格の約5~7%が目安といわれます。仮に諸費用を5%とした場合、坪単価100万円の家にかかる諸費用は180万円程度です。家を建てる際には、これまで説明してきた本体工事費・設計費・付帯工事費やオプション・諸費用のほかにも仮住まい・引っ越し費用などがかかってきます。これらの中はローンを組めずに、現金で支払う費用もあるため注意しましょう。

住宅ローンについて詳しく解説

坪単価100万円の家を建てるためにかかる費用を把握できたら、ここからは住宅ローンについて考えましょう。坪単価100万円の家を建てるための費用について住宅ローンを組んだ場合、

  • ローン返済
  • 借り入れ可能額

はいくらになるのでしょうか。

ローン返済の例

まずは坪単価100万円の家にかかる費用についてローンを組んだ場合、返済金額はいくらになるのかシミュレーションしてみます。本体工事費以外の金額は物件によって異なりますので、今回は建物本体価格のみで計算します。

<条件>

  • 建物本体価格は3570万円とする
  • フラット35
  • 借入機関は35年
  • 金利は1.51%
  • ボーナス払いなし

上記の条件で計算すると毎月の返済額は11万円、総返済額は4,599万円になります。

あなたの借り入れ可能額は?

次は、自分の借り入れ可能金額を知っておきましょう。国税庁がおこなった平成30年分 民間給与実態統計調査によると、平成30年の平均給与は441万円です。この数字で借入可能金額をシミュレーションしてみましょう。条件は先ほどと同じとします。<条件>

  • フラット35を利用
  • 借入期間は35年
  • 金利は1.51%
  • ボーナス払いなし

この条件で計算すると、年収441万円の人が借り入れできる金額は、4,194万円です。本体価格(3,570万円)であれば借入可能額に余裕がありますが、本体工事費以外の付帯工事費や諸費用を含めるとギリギリの金額になるかもしれません。家を建てるためには、本体工事費の2割~3割程度の費用を考えておく必要があります。

坪単価100万円台の建築例

それでは、建築実例を見て具体的にイメージを膨らませましょう。建築例をふたつ紹介します。

  • 重厚な豪邸
  • 車4台のゆったり住宅

重厚な豪邸

重量鉄骨造、4階建ての家です。これぞ高級住宅、まさに豪邸といえます。エレベーターが設置されており、上下階の移動がスムーズです。ガラスの間仕切りがあるバスルームと、4階にあるリビングは高級ホテルのよう。ルーフバルコニーは日々のくつろぎの場所になるほか、ホームパーティも開催できる広さになっています。

車4台のゆったり住宅

車4台をゆったりと格納できる広々としたガレージをもつ邸宅。ガレージは吹き抜けとなっており、2階のリビングから景色と車両方を楽しむことができます。美術館のような廊下、LDKをぐるりと囲むバルコニー、センスのすべてが詰め込まれた家です。

坪単価100万円台の家の注意点

最後に、坪単価100万円台の家を建てる際に注意が必要な点を3つ説明します。

  • 土地代によっても総額は大きく変わる
  • 自分のイメージに合った設計事務所があると良い
  • 建築に時間がかかることもある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

土地代によっても総額は大きく変わる

これまで家を建てる際に必要な費用である以下について解説しました。

  • 本体工事費
  • 設計費
  • 付帯工事費
  • 諸費用

ほかにも、家を建てる際に必要な費用があります。それは予算の多くを占めるのが土地の購入費用です。当然のことながら、土地代によって家を建てるときの総費用は大きく変わります。特に都心部に一戸建てを建てる場合は、土地購入費用がかなり高額になるでしょう。

自分のイメージに合った設計事務所があると良い

注文住宅を建てる際、依頼先にハウスメーカーを選ぶ人が多いです。ハウスメーカーのメリットは、長期保証やアフターサービスの手厚さなどといった安心感が得られるところです。一方で、設計の自由度が低いというデメリットもあります。特にローコスト住宅を得意とするハウスメーカーにはあまり自由度は期待できません。高級ハウスメーカーをはじめとして、ある程度施主の希望を叶えてくれるハウスメーカーもありますが、壁や屋根や窓など、すべての仕様に一定の規格があるところがほとんどです。そのため、規格外の希望に対応できないケースがあります。こういった点に不満を感じるなら、依頼先に設計事務所を選ぶとよいでしょう。設計事務所の特徴は、全てにおいて自由度が高いことです。建築実例の載ったカタログを見れば、自分のイメージに合った設計事務所が見つかるかもしれません。自分に合った設計事務所に依頼すれば、こだわりや希望を思う存分反映した、理想の家を建てることができるでしょう。

建築に時間がかかることもある

これまで説明してきたように、高級注文住宅は自由度が高く、自分のこだわりを存分に反映することができます。そのため、一般的な注文住宅より建設に時間がかかることになるかもしれません。一般的な注文住宅はある程度仕様が決まっているため、限られた選択肢から選ぶことになります。しかし注文住宅は、まず面談の段階から自分の希望を伝えるのに時間を要するでしょう。こだわりがある高級注文住宅ほど決めなければいけない点が多くなり、時間がかかることがあります。また既製品でない設備を取り入れるため、建築が長期化することも予想されます。どれくらいの期間で建設でき、いつから入居できるのか、都度確認するようにしましょう。

まとめ

坪単価100万円台の高級注文住宅の特徴、総費用や注意点について解説しました。坪単価100万円台の家なら、あらゆる部分にこだわりを反映できるはずです。自分のイメージに合った建築会社を知るため、まずは資料請求をしてみましょう。実際の建築例を知ることで、家づくりがより具体的になるはずです。

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