ローコスト住宅の外壁はどれがいい?外壁の種類と特徴を詳しく解説!

ローコスト住宅を検討する際に外壁で悩まれる方が多くいらっしゃいます。外壁は建物の印象を大きく左右し、デザイン的にもどのような外壁材を選ぶかがとても大切です。しかし種類やデザインも多く、どのようなものを選んでよいか、迷ってらっしゃるかもしれません。経年劣化に伴うアフターメンテナンスなどのランニングコストについてもしっかりと学んだ上で、コストパフォーマンスの良い外壁を採用するのもおすすめです。外壁材それぞれの特徴を理解して、どの外壁を採用するか判断を行いましょう。

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住み心地に大きく影響する?外壁が持つ役割とは

外壁と聞くと、外観のイメージが大きいと思います。実際に外壁によって外観のイメージは大きく変化します。しかし外壁が持つ役割は、第一に地震や火災、風雨などから生活空間を守るということです。そのためには当然ながら強さが必要です。風雨に対する強さ、地震に対する強さ、火災に対する強さが求められます。安全に暮らすためにも災害に強い外壁かどうか、という点も気になるポイントです。快適な室内環境を創るためにも外壁は大きな役割を果たします。そのために断熱性や遮音性が高いことが求められます。住み心地にも大きく影響する外壁の役割について説明しましょう。

住宅を守る役割

外壁は安心して生活するために住宅を守る役割があります。そのため住宅内への雨風の侵入を防ぐことが求められます地震で倒壊しない強さ、火災にも耐えうる強さ、崖が近ければ土砂災害への強さが必要です。また紫外線や風雨などから建物の劣化を防ぐ役割もあります。

室内環境を整える

外壁には室内環境を整える役割があります。室内環境というと、プライバシーの確保や建物内外の音の遮音性、建物外部からの遮熱性などが挙げられます。快適な生活を送るためにも、周辺からプライバシーを確保できることはとても大切です。また静かな環境で生活するために外部からの遮音性も大切です。最近ではご近所トラブルを危惧して、建物内の音が外に漏れていないが気にする方も多くなっています。さらに夏は涼しく、冬は暖かく過ごすための遮熱性(断熱性)は室内環境を考える上でとても重要です。外壁材によって、通気性や遮熱性、遮音性も異なり、住み心地にも影響してきます。

外壁材は大きく6種類に分けられる

外壁材は大きく6種類に分けられます。それぞれの特徴とメリットデメリットについて説明します。外壁材を考えるときに、費用を目線として考えた時に重要なことは初期費用とメンテナンス費用です。ハウスメーカごとに標準仕様として設定している外壁材が異なりますので、標準仕様以外の商品を選ぶとオプションとして別途費用が必要になります。その際には下表のメンテナンス頻度や費用を参考に考えてみてください。

外壁材の種類メンテナンス頻度費用(1㎡あたり)
窯業系サイディング7~10年3,000~7,000円
金属サイディング10~15年4,000~6,000円
ALC10~15年7,000~15,000円
タイル10~15年7,000~9,000円
塗り壁5~10年5,000~7,000円
羽目板(板張り)5~10年6,000~8,000円

窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、セメントや繊維質などを原料とした板状の外壁材です。ローコスト住宅では最も多く使用されている外壁材です

【メリット】

  • 色やデザインの種類が豊富で選択肢が多い
  • 他の外壁材よりも価格が安い
  • 耐火性は高い

【デメリット】

  • 防水性が低く、定期的なメンテナンスが必要

金属サイディング

金属サイディングは成形した金属板と断熱効果のある板でできた外壁材のことです。

【メリット】

  • 断熱性や防水性に優れている
  • 耐用年数が30-40年と長い
  • 軽量で地震に強い

【デメリット】

  • 金属製のため、錆びやすい
  • 物が当たると傷が付きやすい

ALC

ALCとは軽量気泡コンクリートのことです。コンクリートを高温で発砲加工しているため、内部に気泡があり、軽いのが特徴です。

【メリット】

  • 耐久性が高く、メンテナンスをしていけば長期使用が可能
  • 断熱性が高く、快適な室内環境が得られやすい

【デメリット】

  • 防水性が低いため、定期的な塗装が必要
  • シーリング材を多用しているため、劣化時に対応が必要
  • 費用が高め

タイル

タイルは土を高温で焼き固めた素材です。非常に硬い素材で強く、デザインにも優れています。

【メリット】

  • 耐久性に優れ、メンテナンス性が高い
  • 紫外線や風雨に強く、経年劣化しにくい

【デメリット】

  • 初期費用が高く、オプションとなることが多い
  • 下地の上に貼りつける工法だと、タイルが剥がれ落ちる場合がある

塗り壁(セメントモルタル・土)

塗り壁はモルタルや土で仕上げる外壁材です。職人により現場で仕上げていく工法です。

【メリット】

  • 継ぎ目や目地が目立たない
  • 職人による手作業の為、複雑な対応も可能
  • 高級感のある仕上がり

【デメリット】

  • 現場仕上げの為、品質にばらつきがある
  • ひび割れが起こりやすい
  • 頻繁にメンテナンスが必要

羽目板(板張り)

板張りで仕上げる羽目板は木目のデザインが特徴的な外壁材です。

【メリット】

  • 木目を生かした趣のあるデザイン
  • メンテナンスをすることで、長期使用可能

【デメリット】

  • 頻繁に塗装をする必要がある
  • メンテナンスの費用が高くなる

外壁を選ぶ際のポイント

外壁を選ぶ際には押さえておくポイントがあります。耐久性やデザイン性、機能性という点を意識して選ぶことをおススメします。失敗例を見ていくことで正しい選び方をより深く理解することができますので、失敗例を含めてポイントを見ていきましょう。

耐久性の高い外壁を選ぶ

「安さを優先し、耐久性の低い外壁を選んでしまった」という失敗例です。初期費用を低く抑えるために金額の安い外壁を選ぶと、耐久性が低いためにこまめなメンテナンスが必要で、メンテナンスの費用も合わせて考えると、結果的には高い外壁を選んだ場合の費用を上回ってしまった、ということがあります。耐久性の高い外壁を選ぶことで、メンテナンスの費用を抑えることができ、結果的にはコストパフォーマンスのいい家になります。メンテナンス費用が安く抑えられる耐久性の高い外壁材を選ぶことが重要です。外壁の費用とメンテナンスの費用・頻度を合わせて考えた上で、検討しましょう。

汚れが目立たない色にする

「明るい色の外壁を選んだために、汚れが目立ってしまう」という失敗例です。外壁は雨や埃、排気ガスなどにさらされますので、明るい色の外壁では黒く汚れが目立つ可能性が高いです。窓の下に黒い雨垂れがシミついた外壁を見たことがあるかと思います。特に大きな道路の近くでは車の排気ガスの影響を強く受けますし、北面の外壁や湿度の高い場所では、緑色のコケが目立つ場合もあります。好みの色を選びたい気持ちも分かりますが、明るい色の外壁では汚れが目立つ可能性があることを理解した上で、外壁の色を選んでください。落ち着いた色の外壁であれば、あまり汚れが目立たないかもしれません。細目に塗り替えやメンテナンスをする自信のない方は汚れが目立ちにくい外壁色を採用することをおススメします。

機能性とデザイン性のバランスを取る

「デザイン性のみを優先し、機能性の低い外壁を選んでしまった」という失敗例です。先程紹介したように、外壁材によって機能性やデザイン性などの特徴が大きく異なります。外観はメンテナンスに大きな費用が掛かる場所ですので、デザイン性のみにこだわることなくメンテナンス性や耐久性などの機能性にも目を向け総合的にどの外壁材を採用するか検討しましょう。外壁は人の目につく部分ですので、機能性を重視しつつもデザイン性も大切にしてください。費用や性能、デザインなど優先順位をつけて、自分にとって何が一番重要なのかよく考えて判断してください。

ローコスト住宅で人気の外壁3選

ここでは、ローコスト住宅で人気の以下の3つの外壁についてご紹介していきます。

  • ガルバリウム鋼板
  • 窯業系サイディング
  • タイル

ガルバリウム鋼板

今、特に人気のある外壁材といえばガルバリウム鋼板ではないでしょうか。色やデザインも豊富でスタイリッシュな印象に仕上げることができます。金属ならではの雰囲気に加え、好みの色を選べる点も人気のポイントです。2色のガルバリウム鋼板を使用して色のコントラストを出してみるのも、よりスタイリッシュな印象が強くなります。またガルバリウム鋼板は金属サイディングの一種なのですが、錆びにくい事がメリットです。ただ必ずしも錆びないということではありませんので、注意してください。特に海の近くだと塩害が想定されますので、よりこまめに点検をすることが大切でしょう。また耐用年数が長く長持ちすること、耐久性に優れていることから、メンテナンス費用を安く抑えることができます。ガルバリウム鋼板は軽いので、地震にも強いというメリットがあります。

窯業系サイディング

窯業系サイディングは定番の外壁材として長く人気があります。新築で多くのシェアを持っている理由は、価格や性能、デザインなどのバランスに優れているためです。また多くのデザインや色から選ぶことができ、また価格帯の幅や機能性の幅が広い事も特徴です。石目調や木目調、タイル調などのデザインや色の選択肢が多いことで、好みの商品を選ぶことができる可能性も高まります。また安価な商品から高価な商品まで、ラインナップが豊富ですので、自分の予算に合わせて商品を選べます。耐火性と耐震性にも優れていて、災害に対する備えとしても安心です。同じ窯業系サイディングでも機能性にも大きな差があります。機能性を重視すると価格は上がりますが、メンテナンス費用は抑えられますので、サイディングで高性能という選択肢も可能です。窯業系サイディングは選択肢の多さと、トータルバランスの良さから人気の外壁材です。

タイル

機能性を重視する方から人気の高い外壁材はタイルです。外壁材のタイル自体のメンテナンスはほとんど不要なことも魅力です。汚れが付きにくい素材だからこそ、汚れが目立ちやすい色を選ぶという判断もできます。また見た目は圧倒的な重厚感や高級感が漂っています。予算に合わせて、ピンポイントでタイルを採用しても、しっかりと映える点も人気のポイントです。窓の周りなどに使用するシーリング材のみ劣化したタイミングで対応が必要ですが、他の外壁材と比べても圧倒的にメンテナンスコストが安く済みます。初期費用は高くなりますが、メンテナンスコストも含んで考えると他の外壁材よりもコストパフォーマンスで上回ることも多いですので、長期的な目線で考えて採用するのもおすすめです。

まとめ

ローコスト住宅の外壁の選び方や考え方について説明をしました。外壁は外から見える部分ですので、見た目のデザインも大切だといえるでしょう。外壁材を変えることで、外観の雰囲気が大きく変わりますので、バランスを考えながら複数の外壁材を採用しても良いかもしれません。また外壁材は建物の性能にも関係してきます。さらに長く住む上でメンテナンスの費用についても考えなければなりません。どの外壁材を採用するかという事は色々なポイントを押さえながら総合的に判断する必要があります。自分にとって一番重要な点は何なのかよく考えながら、検討していきましょう。デザイン面を考える際には建築事例を見ると具体的にイメージをしやすいので、デザインの検討方法としておすすめです。自分の好みのデザインについて知ることも大切です。多くの住宅会社が個性的な外壁材を使用していますので、いろいろな会社のパンフレットで勉強してみましょう。それぞれの住宅会社の一押しの外壁材や標準仕様の外壁材について、より理解を深めることができます。モデルハウス見学は気になるメーカーが見つかってからで大丈夫です。あまり知識のない状態でモデルハウスの見学に行っても、営業マンの長時間の接客に疲れてしまうだけです。外壁について勉強をしてから、実物を見るためにモデルハウスに行くと知識の吸収率が違います。各社の建築事例で勉強するために、まずはカタログの資料請求をしてみましょう。

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