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ローコスト住宅が寒いと言われる理由
ローコスト住宅に住んだ人の感想として「冬に寒い」といった言葉を聞くことがあります。これはなぜなのでしょうか。まずはローコスト住宅が寒いと言われる理由について見ていきましょう。具体的には以下のようなものです。
- 断熱材が少ない・質が悪い
- リビング階段や吹き抜けなど間取りの問題
- 窓の断熱性が低い
断熱材が少ない・質が悪い
まず、ローコスト住宅は一般の住宅と比べて断熱材が少なかったり、質が悪かったりすることがあります。これはある意味しょうがないともいえるでしょう。住宅において、断熱性能は必ず必要な性能かというとそうでもないこともあります。例えば、断熱性能の低い住宅でも、寒さに強い人は快適に過ごせる可能性があるでしょう。こうした人にとって、断熱性能の高い住宅は、無駄に費用だけ高い住宅になってしまう可能性があるのです。こうした点で、ローコスト住宅はあくまでも費用対効果から断熱性能を低く仕上げているケースが多いといえるでしょう。なお、ローコスト住宅と一口にいっても住宅会社によって性能はさまざまです。限られた費用の中で断熱性能の高さに注力した住宅も存在します。
リビング階段や吹き抜けなど間取りの問題
ローコスト住宅の中でも特に間取り次第で寒さを感じてしまうケースがあります。例えばリビング階段や吹き抜けがある住宅では、暖かい空気が上に逃げるため冬場は寒さを感じやすくなってしまいます。一般的な注文住宅で、断熱性能にこだわった住宅であれば吹き抜けがあったとしても寒さを感じない住宅に仕上がっていることも多いです。しかし、ローコスト住宅の場合は先ほどのように全体の費用の問題で断熱性能を低く仕上げていることも多いため、リビング階段や吹き抜けのある間取だと、寒さを感じることが多くなるでしょう。
窓の断熱性が低い
断熱性能については、断熱材だけでなく窓の素材も重要なポイントとなります。例えば、サッシはアルミのものより半樹脂や樹脂の方が気密性・断熱性が高くなると言われています。しかし、一般的にアルミより半樹脂の方が、また半樹脂より樹脂の方が費用は高くなってしまいます。また、窓ガラスについても単板ガラスより複層ガラスの方が断熱性能は高いです。さらに、お金はかかりますがLow-eガラスにしたりアルゴンガスを注入したり、はたまた3層のガラスにしたりなど、断熱性を高めるという点において窓でできる工夫は多くあります。しかし、当然ではありますが、性能を高くするほど費用が高くなってしまいます。こうした点から、ローコスト住宅では窓ガラスについても費用を抑えていることが多く、断熱性能の低い住宅になってしまうことが多いといえます。
断熱材の種類や性能
ここでは、家の断熱性能について重要な役割を果たす断熱材について、種類や性能を見ていきたいと思います。
ウール系断熱材
まずはウール系断熱材です。グラスウールやロックウールなどさまざまな素材がありますが、基本的な考え方としては、毛布のようなもので家を巻いていると考えるとよいでしょう。ウール系素材だから断熱性能が低いということはなく、ウール系素材でも断熱性能の低い安い素材を利用すると断熱性能が低くなってしまいます。また、ウール系素材の問題点として断熱材と断熱材の間やコンセントと断熱材の間に隙間ができやすいことなどが挙げられるでしょう。ウール系素材について気密性や断熱性を高く施工するには職人の腕が重要です。
発泡プラスチック系断熱材
発泡プラスチック系断熱材とは、現場で壁内に吹き付けることでその場で発泡するタイプの断熱材です。一般的に断熱材が高く、かつ比較的ローコストで施工できる素材です。ただし、ウール系素材の安いものと比べると費用がかかるため、ローコスト住宅ではウール系素材が採用されていることが多くなっています。発布プラスチック系断熱材のよいところは、ウール系素材のように巻き付ける素材ではなく、現場で吹付けて発泡するため、技術力がなくとも簡単に隙間なく施工できるという点だといえます。少ないとはいえ、ローコスト住宅にも発砲プラスキック系断熱材を採用しているケースもあるため探してみるのもよいでしょう。
断熱材や断熱技術に優れたメーカーの選び方
断熱材や断熱技術に優れたメーカーの選び方としては、ホームページなどで断熱性の高さを打ち出しているかどうかと、過去の施工実績の多さを調べるのがおすすめです。ローコスト住宅の多くは費用を抑えるために規格住宅にしていたり、そうでなくとも設備面はほとんど固定となっていたりするのがほとんどです。そうした設備の説明において、断熱性能の高さをどれだけ打ち出しているか確認してみるとよいでしょう。あくまでも一般的な傾向としてですが、断熱性能に力を入れていない住宅会社のホームページやカタログでは、やはり断熱材について取り上げられていることはほとんどないか、かなり小さく書かれているものです。
ローコスト住宅の断熱性を上げて暖かい家に住む方法
ローコスト住宅は一般的に断熱性能が低いことが多いですが、その上で、ローコスト住宅で断熱性能を上げて暖かい家に住むにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、以下のようなことについてお伝えします。
- 外断熱の住宅を建てる
- 熱が逃げにくい間取りにする
- 窓を工夫する
- 間仕切りを多く設置する
それぞれ見ていきましょう。
外断熱の住宅を建てる
断熱性能を高めるための方法として外断熱を検討してみるのも一つの方法です。外断熱とは、内断熱のように壁と壁の間に断熱材を敷き詰めるのではなく、壁の外側に断熱材を施工して、建物の断熱性能を高めます。一般的に内断熱より外断熱の方が断熱性能は高く、暖かい家にしたいという方におすすめです。ただし、外断熱は内断熱より費用が高くなりやすいため、あらかじめ見積もりを取った上で費用対効果の面から総合的に判断するとよいでしょう。
熱が逃げにくい間取りにする
またローコスト住宅で同じ設備であっても間取りを工夫することで熱が逃げにくい住宅にすることは可能です。例えば、先程お伝えした通りリビング階段や吹き抜けがあると熱が上に逃げてしまいやすく、ローコスト住宅で断熱性が低いと冬寒い住宅になってしまいやすいでしょう。その他、土間を設けると底冷えがしやすい点にも注意が必要です。
窓を工夫する
暖かい家にするには、断熱材以外にも窓を工夫することが大切です。工夫するとは、具体的により断熱性能の高いサッシや窓ガラスにすることもそうですが、費用がかかってしまいます。一方で、費用があまりかからない方法としておすすめなのが窓を小さくしたり、窓を少なくしたりする方法です。この方法であれば、窓の代わりに壁がくるだけなので、むしろ費用を安くできることもあるでしょう。ただし、窓が小さかったり少なかったりすると、日があまり入らない暗い家になってしまいやすい点には注意しなければなりません。
間仕切りを多く設置する
また、これも間取りの工夫の一つではありますが、間仕切りを多く設置するのも一つの方法です。例えば、間仕切りを設置して廊下とリビングを分けた場合、リビングの部分で暖房を付ければ、その部分は暖かくなりやすいでしょう。ただし、こうしたケースで断熱性能の低い家だと、廊下部分は寒くなってしまう点に注意が必要です。家づくりにおいては住宅会社ごとの設備仕様もそうですが、間取りを工夫することで断熱性能を高めることもできます。間取りの工夫の仕方については、設計担当者からアドバイスを貰えるかどうかにもかかってきます。この点、住宅会社にカタログ請求して設備仕様を確認したうえで、実際に設計担当者から提案を貰えるようにしてみるとよいでしょう。できれば、複数の住宅会社を比較するべきで、その際にはライフルホームズのカタログ一括請求がおすすめです。
ローコスト住宅で全館空調や床暖房は可能?
断熱性能を高めるための設備として全館空調や床暖房がありますが、これらは高価なイメージがあります。ローコスト住宅でこれらの設備を導入することは可能なのでしょうか。
全館空調の採用は難しい
全館空調については不可能ではありませんが、実際のところローコスト住宅では採用は難しいことが多いでしょう。一般的に全館空調の設備は100万円~200万円以上することが多く、全体の費用を安く抑えるローコスト住宅では取り扱っていることが少ないです。ローコスト住宅以外にも一般的な住宅を扱っているような住宅会社で、オプションでローコスト住宅に全館空調を取り入れるといったことは可能ですが、そもそも全館空調にするには十分な気密性を確保しなければなりません。全館空調を設置しても、気密性が低いと家から外に暖かい空気がもれやすく、全館空調のメリットが少なくなってしまうのです。この点、ローコスト住宅は費用重視のため、気密性が低くなってしまっていることが多く、そうした点でもローコスト住宅での全館空調採用は難しいといえるでしょう。なお、全館空調は設置費用として100~200万円の費用がかかりますが、そもそも全部屋にエアコンを設置するとそれに近いくらいの費用がかかってしまうことも多いものです。この点、総合的に見ると、全館空調の方がお得になることもあるため、初期費用の高さをある程度我慢して、全館空調の設置を検討してみるのも一つの方法だといえます。
床暖房は気密性を確保すれば可能
ローコスト住宅であっても床暖房を設置するのに問題はありません。確かに、床暖房設置に別途費用は必要になりますが、全館空調ほど高価ではありませんし、断熱性・気密性が低いケースでも足元を暖めるという機能についてはそこまで問題はありません。特にリビングの一部だけなど、普段使うところだけに設置するようなケースであれば費用を抑えて導入可能でしょう。ただし、床暖房設置に、床暖房自体の設備費用の他、配管など付随する費用がオプションとしてかかってしまうこともあります。その他、気密性・断熱性の低い住宅だと、一般的な住宅と比べて高い光熱費がかかってしまうこともある点に注意が必要です。ローコスト住宅は初期費用を抑えて住宅を建築可能ですが、長い目で見ると高い費用がかかってしまう側面も多いです。特に暖かい家に住みたいと思っている方は、気密性・断熱性の部分については多少費用がかかっても一般的な住宅と同程度の設備にすることを考えてみてもよいかもしれません。
まとめ
ローコスト住宅の断熱性能についてお伝えするとともに、ローコスト住宅でも暖かい家にするためのポイントや、全館空調・床暖房などについてお伝えしました。ローコスト住宅は、全体の費用を安くするといった目的から断熱性に重要な役割を果たす断熱材や窓については、費用を抑えたものが採用されていることが多いです。その上で、暖かい家に住みたいのであれば、間取りなど工夫することが大切でしょう。このように、ローコスト住宅でも暖かい家に住みたいのであれば、経験豊富な設計担当者からアドバイスを貰いながら計画を進めるのが一番です。それには、複数の住宅会社に間取りの提案を受けながら、一番よい提案をしてくれる会社を見つけることが一番でしょう。最初にカタログを見て、気に入った住宅会社に問い合わせしてみて、実際に設計担当者の提案を受けてみることをおすすめします。
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