ローコスト住宅のメンテナンス費用は高い?ランニングコストを抑えるコツを解説

ローコスト住宅を建てようと考えている方にとって、気になるのはやはりメンテナンス費用についてだと思います。メンテナンス費用がかさむローコスト住宅の特徴や、メンテナンス費用が抑えられるローコスト住宅メーカー選びについて説明します。また一般的な住宅メーカーと比較して、ローコスト住宅のメンテナンス費用は高いのでは?という不安が払拭できるように詳しい情報を解説するとともに、住み始めてからのランニングコストを抑えるコツを解説しますので、この記事を読むと建設費用もランニングコストも高くない安価で満足のいく住宅を建てるためのヒントが見つかることでしょう。

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ローコスト住宅のメンテナンス費用は高い?

ローコスト住宅のメンテナンス費用は高いと思われていることもありますが、必ずしもそうではありません。ただし、質の低い建て方が雑な住宅はランニングコストが高くなりますので注意が必要です。会社の技術力をしっかり見極めましょう。

ローコスト住宅=メンテナンス費用が高いわけではない

ローコスト住宅だからと言ってメンテナンス費用が高額になるわけではありません。むしろ一般的な住宅よりもローコスト住宅の方がメンテナンス費用は安い場合もあります。ローコスト住宅は建坪を小さくして安い価格で販売しているケースが多いために、メンテナンス費用が安くなるのです。メンテナンス費用は建坪や壁や屋根の面積に比例するため、建物が大きくなるほど高くなっていきます。ローコスト住宅は建物価格が安い為にメンテナンス費用が高いと思われていますが、実際には建物が小さい為にメンテナンスが安くなることが多いです。またローコスト住宅は質の悪い建材で作られているから建物価格が安いわけではありません。ローコスト住宅は注文住宅より選択肢が少なく、プランや建材や設備が限定されているからこそ、大量に一括で仕入れることが可能で、安く調達できるのです。

建て方が雑な建設業者だとランニングコストが高くなる

ローコスト住宅に限る話ではありませんが、建て方が雑な建設業者だとランニングコストが高くなる点に注意が必要です。まず、一般的にローコスト住宅の気密性や断熱性はあまり高くありません。これは費用の問題で、断熱材に性能の低いものを使用するからであり、こうした素材は遮熱性が低く、断熱性が低くなってしまいます。その上で、雑な工事だと建物の隙間が大きくなることで、気密性が低くなり、壁の中に湿気が入りやすくなってしまうでしょう。そしてローコスト住宅でよく使用されるグラスウールという壁内に敷き詰めてある断熱材が水分を吸ってしまい、水分を吸った断熱材はカビの原因になることもあるのです。また水を吸い重くなった断熱材は垂れ下がることがありますが、そうなると断熱性能はさらに低下します。雑な工事は住みはじめて時間が経ってから、明らかになる部分も多く、ランニングコストが高くなる原因となります。ただし、ローコスト住宅の全てが雑に建てられているわけではありません。現場で作業をする職人の技術力の差により、仕上がりの品質は大きく左右されます。どの住宅会社でも腕の良い大工さんは手放しません。職人への工賃を安く設定していたり、短い納期を強要したりしている会社では職人の質が低く、品質も低い可能性があるといえるでしょう。

ローコスト住宅のメンテナンス費用相場

ローコスト住宅のメンテナンス費用はどれくらいかかるのか、だいたいの相場を含めてみていきましょう。メンテナンスが必要な項目や頻度についても具体的に説明します。おおよそ延べ床面積30坪程度の家を想定した金額になっています。

建物のランニングコスト

屋外と面している屋根や外壁、構造体など建物の主な部分のランニングコストについて紹介します。

【屋根】のランニングコストは築10年ごとを目安に塗装を行います。塗装を行うことで防水効果を高めることが可能です。費用はおよそ50万円程だと考えておいてください。築30年が葺き替え時期の目安です。費用は約100万円が必要です。

【外壁】のランニングコストについて説明します。外壁材がローコスト住宅で多く使われる窯業系サイディングの場合、築10年でシリコン塗料による再塗装で約70~100万円、外壁の間や窓周りの隙間を埋めるシーリングは早くて5年で打ちかえを行い、費用は30万円程度が必要です。10年毎の外壁とシーリングのメンテナンスをしっかりと行っても30~40年がサイディングの寿命です。外壁材の張替を行うと約170万以上が必要となります。2階建ての建物であれば足場代が約30万円必要になりますので、可能なら屋根と外壁のメンテナンスはタイミングを合わせる方が経済的です。

【構造】のランニングコストについて説明します。欠かせないのがシロアリ対策の防蟻工事です。薬剤の効果は約5年と言われており、5年毎に15万円程を掛けて薬剤を再頒布します。

設備のランニングコスト

次に建物の中にある設備について見ていきましょう。主な水回りの設備はキッチン、トイレ、洗面、浴室です。

【キッチン】はおよそ10年でレンジフードやコンロの交換を迎えます。費用は約50万円~100万円が目安です。また大体20年でキッチン自体の交換時期の目安となります。費用はグレードにより大きく異なりますが100万円~300万円程です。

【トイレ】は約5年毎に点検と軽微な部品交換を繰り返していき、約20年が便器本体の交換時期の目安となります。便器の交換費用は約30万円程です。

【洗面】は約5年でキャビネットの点検・部品交換、約10年で洗面台本体の交換時期を迎えます。本体の交換費用は約20万円です。

【浴室】は約5年毎にシーリング材やドア、換気扇の点検、補修が必要で費用的には5万円~10万円程度です。だいたい15年がユニットバス本体の交換時期で費用は最低でも約100万円はかかります。痛み具体にもよりますが、浴室と洗面台などメンテナンスのタイミングを合わせる場合も多くあります。タイミングを合わせることで一度に工事に入れるため、費用を少し抑えることが可能です。

メンテナンス費用を考えると一般の注文住宅と変わらない?

メンテナンス費用を考えると一般の注文住宅と総費用はあまり変わらないとお考えの方もいらっしゃると思います。しかし、そう言い切れない部分もたくさんあります。一般の注文住宅ではメンテナンスフリーの外壁を使っているメーカーも多いですが、このメンテナンスフリーはメンテナンスがいらないという意味ではなく、メンテナンスの頻度を少なくできる商品です。ただもともとの外壁材の価格が高い為その合計費用で考えると差額は微妙なものとなります。また長期保証を謳う注文住宅会社がありますが、その長期保証期間は無料でメンテナンスを受けられる期間ではありませんので注意が必要です。10年後や20年後に大規模な有償のメンテナンスを受けることで以降の保証を延長していく仕組みがほとんどです。

ローコスト住宅のメンテナンス費用・維持費を抑えるコツ

ローコスト住宅のメンテナンス費用や維持費を抑えるためにはどうすればよいのか、具体的に説明します。長く快適に暮らすためには適切な時期に適切なメンテナンスが欠かせませんが、何か不具合が起こった際に早期発見できるかどうかも非常に大切なポイントです。

自分でも普段から掃除や点検をする

当たり前のことですが、普段から自分で細目に掃除を行うことがメンテナンス費用や維持費を抑えるためにとても大切なことです。細目に掃除をしていると劣化や故障を遅らせられることも多いので、メンテナンスの頻度を少なくすることができ、長期的にメンテナンスの費用・維持費を抑えることが可能です。丁寧に住めば建物は長持ちし、異常にもすぐ気づくことができます。早期に異変を察知し、対応が早ければメンテナンス費用・維持費自体もかなり低く抑えられます。自分で掃除と点検をセットにして、掃除の際にはほかに異常はないか点検を癖付けしていきましょう。

購入時にメンテナンス計画を立てておく

不具合が発生してからメンテナンスを行うとなると、後手に回ることとなり、問題のある場所以外にも被害が拡大してしまうことがあります。建物の外装や水回りなど一旦不具合が発生すると被害が拡大しやすい部位です。いつ頃どんなメンテナンスが必要か確認し、費用を準備しておきましょう。不具合が発生する前の段階でメンテナンスを計画し、先手で築年数を元にしてメンテナンスを実施することでメンテナンス費用・維持費を安価に抑えることができます。メンテナンスを後回しにすればするほど、結果として維持費がかさむので、要注意です。

メンテナンスの記録をつけておく

住宅の設備や建材には耐用年数が設定されているため、耐用年数切れにならないように定期的にメンテナンスや点検を行うことが重要です。メンテナンスや点検を実施した際には記録を残しましょう。記録が残っていれば、次回以降のメンテナンスの予定を組みやすくあります。重大なトラブル回避のために早め早めにメンテナンスを行いましょう。建築時に耐用年数が長いものを選んでおくことで初期費用は少し高くなりますが、メンテナンスの回数を減らすことができて、メンテナンスやランニング費用を抑えることに繋がり、長期的な目線で考えると経済的です。

ローコスト住宅の平均的な寿命

日本の住宅の平均寿命は約25年から30年です。一年を通しての気温差が大きい事や湿度の高さが住宅の寿命を短くしている要因です。

ローコスト住宅は世代交代と共に建て替えるのが一般的

建築条件や環境、メンテナンスによって差は出ますが、ローコスト住宅でも30年程度は快適に暮らすことができるでしょう。ローコスト住宅の建築も日々進化しており、耐震性や断熱性能も随分と向上しています。しかしながら子ども世代へと引き継ぐタイミングでは建て替えを検討するケースがほとんどです。住宅の設備などの部分で、耐久性の低い素材を使っていることが多く、数世代にわたって住み続けるには向いていないのです。

ハウスメーカーや工務店によっても寿命に差がでる

どのハウスメーカーや工務店が建てたのかによっても寿命に差が出ます。現場での建築性能の差により、寿命にも差がつきます。建築会社により家づくりのポイントやこだわりが異なりますので、複数の会社で見積もりを取って比較検討することが重要です。性能やメンテナンス、アフターサービスについてもしっかりと記載してありますので、まずは注文住宅のカタログ請求をして、見比べてみてください。

まとめ

ローコスト住宅のメンテナンスについて書いてきました。家を建てた後に快適に住み続けるために、メンテナンスは欠かせません。だからこそ、どのようなメンテナンスがいつ頃必要で費用はいくらくらいかかるのか把握して、先々の生活のことも考えて確実に準備をしておきましょう。高いメンテナンス費用が必要だと思われがちなローコスト住宅ですが工夫次第で、メンテナンスの手間や費用を抑えるような家を建てることも可能だと理解してもらえたはずです。どの住宅会社で建てるのかによって、施工の品質が異なるため寿命に差が出てきます。住宅会社選びは慎重に行いましょう。住宅会社を選ぶためにはまず注文住宅カタログの資料請求がおすすめです。また、比較検討するために複数の住宅会社に資料請求するのがよいでしょう。

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