注文住宅に和室は必要?活用方法や間取りの例を解説

昔は日本の注文住宅には必ず和室がありましたが、最近では和室のない家も増えています。しかし、後からやっぱり和室をつくればよかった…という声があるのも事実です。そこでこの記事では、和室の必要性について、詳しく解説していきます。具体的には、和室のメリット・デメリットや和室の間取り、和室をつくる際のポイントなどをご紹介します。和室をつくるかどうかで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

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注文住宅に和室は必要?メリット・デメリット

和室離れが進んでいると言いましたが、実際どのくらいの人が和室を必要ないと考えているのでしょうか。これから和室をつくるかどうか迷っている人には、とても気になるところだと思います。積水化学工業住宅カンパニーの調査研究機関「住環境研究所」が2019年に発表したデータによると、2016年に和室をつくらなかった住宅は25.3%、つまり約4件に1件の住宅が和室をつくっていないわけです。この章では、この25.3%という数字を踏まえつつ、注文住宅における和室の必要性と和室のメリットとデメリットについて解説していきます。

注文住宅に和室は必要?

結論から言うと、注文住宅に和室が必要かどうかはその家族の考え方によります。上述の25.3%という数字が多いか少ないか、人それぞれ感じ方は違うと思います。たしかに洋式の生活習慣が浸透した今の日本では、和室の重要度が下がっているのは間違いありません。しかし、和室離れといっても、3/4の住宅では和室をつくっているわけです。つまり、まだまだ和室を必要とする理由がたくさん存在するともいえます。

和室のメリット

和室の必要性は、各家庭が和室のメリットをどのくらい重要視するかで決まります。ここでは和室のメリットである以下を詳しく見ていきましょう。

  • 汎用性の高さ
  • 新品に張り替えられる
  • リラックス効果がある
  • 多額の追加費用がかからない

汎用性の高さ

和室の最大のメリットは、何にでも使える「汎用性の高さ」です。少し考えただけでも、下記のようなさまざまな用途に利用できます。

  • 居間として
  • 客室として
  • 両親や友人の宿泊の場として
  • 家事をおこなう場所として
  • 子供の遊び場として
  • 仏間として
  • リラックスルームとして

少しかしこまったお客様が来たときに、和室は客室として最高の役割を果たします。両親や友人が来た際に泊まってもらうスペースとしても最適です。また上記以外にも、親と同居の可能性がある場合は、将来の親の部屋としても利用できます。

新品に張り替えられる

和室を構成する畳や襖は、比較的安価で新品に張り替えられる点が大きなメリットのひとつです。ただし、のちほどデメリットでも説明しますが、繊細がゆえに定期的なメンテナンスが必要です。とはいえ、洋室のフローリングやドアに比べると簡単に交換できるので、洋室よりメンテンナンス費用は安く済みます。

リラックス効果がある

誰しも畳に寝転がって、大きく背伸びをしたことが一度はあるでしょう。硬いフローリングと違って、そのままゴロッと横になれるのが和室のうれしいところです。また、畳に使われている「い草」の香りが、アロマのような癒やし効果を与えてくれます。なにかとストレスが大きい昨今、和室が根強くつくられているもっとも大きな理由が、案外このリラックス効果なのかもしれません。

多額の追加費用はかからない

和室は洋室よりも建築費用が高いと思われがちですが、じつはそうとも限りません。もちろん細部にまで高品質を求めれば、コストは青天井に高くなっていくでしょう。しかし今は、そこまで本格的な和室は求められていません。畳があって、押し入れに布団などを収納できれば十分と考える人がほとんどのはずです。後述しますが、独立した和室ではなく、リビングに面した「壁のない小上がり型の和室ルーム」が人気を得ているのも、気軽な畳スペースがあれば十分という理由からだと考えられます。そして、そういった簡易的な畳スペースならば、逆に洋室よりも建築費用は安く済みます。

和室のデメリット

一方、和室には以下のデメリットがあります。

  • 傷つきやすく、湿気でカビることも
  • 建具のメンテナンスが必要
  • ベッドや机を置く個室としては不適当

それではひとつずつ詳しく解説します。

傷つきやすく、湿気でカビることも

畳は柔らかく触り心地が良い反面、傷つきやすく劣化もしやすいです。長期間直射日光が当たれば、日焼けして色ムラが目立ってきます。高温多湿の日本では、湿気がこもりやすく、ダニやゴミの温床にもなりかねません。特に梅雨の時期は、注意しないとカビが発生することもあります。また、室内でペットを飼っている場合は要注意です。特に猫にとって畳は格好の爪研ぎ場なので、あっという間にボロボロになってしまうでしょう。ペットに和室への出入りをさせないなど、なんらかの対応策が必要です。

建具のメンテナンスが必要

上述の通り、建具や畳は定期的なメンテナンス・交換が必要です。畳の場合、表面が傷んだら、まずは裏表を逆に敷き直します。4〜5年経過したら、今度は表を張り替え、10年ほどを目安に畳本体を交換するようになるでしょう。襖や障子などの建具も、定期的な張替えが欠かせません。また、鴨居が下がって襖が開きづらくなる場合が多いので、合わせて調整も必要です。

ベッドや机を置く個室としては不適当

上述の通り、和室はさまざまな用途に使えますが、ベッドや机を置く個室としては、逆に使いづらいのが欠点です。子供部屋は2階の洋室にするから、ベッドを置けなくても別に問題ないと思うかもしれません。しかし将来的に、同居を希望する親の足腰が弱ってきて、ベッドのある洋室じゃないと生活が厳しくなってくる可能性も十分あり得ます。また、和室では車椅子の使用も困難です。高齢化が進む日本で、バリアフリーに対応しにくいというのは意外に大きなデメリットといえるでしょう。

和室の使い道・活用方法

和室は汎用性が高いので、いろいろな用途に利用できます。ここでは和室の代表的な使い道である以下についてご紹介します。

  • 客間
  • 仏間
  • 子どもの遊び場
  • 家事スペース
  • 将来の親の同居部屋

客間

リビングが散らかっていて急なお客様が来たときに困ったという経験は、誰でも一度はあると思います。そんなときに便利なのが、独立した客間として使える和室です。両親や友人が泊まりに来たときも、気軽に泊まってもらえます。たまにしか泊まらないお客様のために、洋室の客間を確保するのは現実的に無理がありますが、和室なら押入れにしまってある布団を敷くだけでOKです。

仏間

先祖あるいは両親の仏壇を置くスペースとしても、和室は最適です。もちろん、仏壇専用の場所があれば言うことはありませんが、置く場所にこだわる必要はありません。ただし、床の間の反対側は「下座」と考えられているので、絶対に置かないようにしてください。逆に、床の間は家の中で最高位といわれる場所です。もし、床の間があるならば、仏壇は床の間に置くのがベストだと思います。

子どもの遊び場

子どもが小さいうちは、部屋中を走り回って遊ぶことも多く、転んでケガをする危険性も少なくありません。その点、和室なら畳が柔らかいので比較的安全です。遊び疲れて寝てしまっても、畳ならそのまま寝かせておいても問題ありません。また、急な来客時でも和室の襖を閉めれば、散らかった部屋を見せずに済みます。

家事スペース

洗濯物を畳んだり、アイロンを掛けたりといった専用の家事スペースを設けるのは、なかなか難しいものです。であれば、和室を簡易的な家事スペースとして利用することをおすすめします。子供が遊ぶ場所で家事ができれば、いつでも目を離さずにいられますし、アイロンやアイロン台といった家事用品も押入れからサッと出し入れできます。

将来の親の同居部屋

普段は客間として和室を使う人が多いですが、将来親と同居する必要がでたときに、親の部屋にもできるという点はすでに説明した通りです。ベッドや車椅子に対応しづらいというデメリットもお話しましたが、ベッドの設置自体は十分可能です(ただし畳に跡がつく)。そもそも6畳程度の広さであれば、中まで車椅子を乗り入れることは少ないでしょう。介護が必要になれば、別途介護リフォームを考えるしかありませんが、自分で動けるうちは十分個室として利用できるはずです。

和室の間取りのポイント

ここでは間取りのポイントである以下3点ご紹介していきます。

  • 和室の設置場所
  • 和室の収納
  • 和室の広さ

和室の設置場所

リビングとの位置関係は、和室の使い勝手に直結するポイントです。客間や将来親の部屋として使うのであれば、プライバシーや音の関係上リビングから少し離れた場所に設置した方が良いでしょう。家事スペースや子どもの遊び場なら、自然とリビング内から出入りをできるような配置になります。この場合は独立した和室よりも、後述する「小上がり型の和室スペース」が便利かもしれません。また、仏間としての役割がメインであれば、玄関に近い場所がベストです。

和室の収納

和室の収納は、もともと布団などの大型なものを収納するためにつくられました。したがって、小さいものを快適に出し入れするには、少々工夫が必要です。押し入れには腰くらいの高さに中段がありますので、下段に収納ボックスを用いて、洋服やストーブ、アイロン台、ミシンなどかさばるものを収納します。上段の収納は、布団や比較的出し入れの多いものがメインになるでしょう。また、押入れ上部には天袋とよばれるスペースがありますが、奥行きがないので軽くてあまり利用しないものを収納するのに適しています。

和室の広さ

和室の広さも使い勝手を決める重要なポイントになります。適正な広さは用途によって異なりますが、最低限4.5畳は必要です。用途別和室の適正な広さは以下の通りです。

  • 小上がり型和室スペース:3畳〜4.5畳
  • 独立した和室(客間):4.5畳〜8畳
  • リビングとして使用:8畳〜10畳

もちろん、広い方が使いやすいのはたしかですが、その分リビングなどのスペースが削られてしまいます。現在の使いやすさと将来的な拡張性を考慮すると、6畳程度の広さがもっとも無難な広さではないでしょうか。

和室の間取り例やアイディア

ここでは、普通の和室ではなく、もっと積極的に生活へ活用できる和室のアイディアを3点ご紹介します。

  • 小上がり型の畳スペース
  • 掘りごたつの設置
  • 琉球畳の活用

詳しく見ていきましょう。

小上がり型の畳スペース

独立した和室ではなく、一段高くなった仕切りのない畳スペースを「小上がり型畳スペース」といいます。居酒屋などにあるお座敷をイメージしてもらえると、わかりやすいでしょう。なんといっても、ちょっとした時間にゴロっと横になれる気軽さが、小上がり型畳スペースの魅力です。リビングに面していますので、家族みんなでストレッチをしたり、子どもと遊んだりも気軽にできます。また、ちょっとしたお客様が来たときに、応接スペースとして使うのも良いでしょう。段差の部分を収納にもできますので、リビングが散らかりにくいというメリットもあります。

掘りごたつの設置

和室に掘りごたつを設置する人も結構いらっしゃいます。冬の寒い日に、家族や友人と掘りごたつに入ってワイワイできるのは、注文住宅ならではの楽しみです。また、こたつは暖まるのが早く、足元を暖めてくれるため、室温を低めに設定しても快適に過ごせます。しかもこたつがいらない時期は、蓋をしておけば普通の和室として利用が可能です。普通のこたつは、足の曲げ伸ばしがつらい高齢者には使いづらいものですが、掘りごたつならまったく問題ありません。親と同居の予定がある場合は特におすすめです。

琉球畳の活用

琉球畳はもともと沖縄(琉球)原産のい草を使用していましたが、現在では縁なしの半畳ほどの畳を「琉球畳」(りゅうきゅうたたみ)とよぶのが一般的です。琉球畳の特徴は、なんといってもそのオシャレさでしょう。縁がなく正方形なので、畳の目を交互に敷き詰めると、いわゆる「市松模様」になります。また、琉球畳は藍色、緑、黒、紅色などカラーバリエーションが豊富なので、リビングから見える小上がり型和室にもピッタリです。デメリットとしては、価格の高さが挙げられます。一般的な畳に比べて、2〜3倍は掛かると考えておく方が良いでしょう。あとから不満で出ないように、コストと満足度をよく考えて計画してください。

和室を作る際の注意点と失敗例

和室は生活を豊かにしてくれる空間ですが、注意すべき点もいくつかあります。

  • 丁寧に取り扱う
  • できるだけ家具を置かない
  • ペットを飼う際は専用畳を

ここでは、上記3点について解説していきます。

丁寧に取り扱う

畳は芯となる「畳床」に、い草でつくられた「畳表」を重ねて、縫いつける構造になっています。材料はいわゆる「草」ですから、キズがつきやすく、ほころびが起こりやすいです。なので、できるだけ丁寧に取り扱ってください。また構造上、隙間が多いので掃除機だけでは汚れを取りきれません。固く絞った濡れ雑巾などで、時々きれいに拭いてあげる必要があるでしょう。どんなに丁寧に扱っても畳は劣化しますし、温度と湿度によってはダニの温床となる可能性も少なくありません。上述の通り、裏返しや交換などの定期的なメンテナンスを、忘れずにおこなってください。

できるだけ家具を置かない

上述の通り、和室にベッドや椅子、タンスなどを置くと脚の部分だけ凹んでしまいます。したがって、和室にはできるだけ家具を置かないようにしましょう。押入れだけでは収納が足りない場合は、板の間を少し大きめにつくり、そこにタンスを置くようにしてください。そうすれば畳が傷つくこともありません。

ペットを飼う際は専用畳を

和室のデメリットでも解説しましたが、ペットにとって和室は絶好の爪研ぎ場です。フローリングはどうしても滑りやすいので、余計畳の部屋に寄ってくるでしょう。独立した和室は中に入れなければ良いですが、リビングに面している畳スペースは、できるだけペット対応畳の使用をおすすめします。畳の上にカーペットを敷く人もいますが、ダニやゴミが怖いですし、そもそも畳の意味がなくなってしまうのでおすすめできません。

和室は汎用性が高くおすすめ

和室にはもちろんデメリットもありますが、それ以上のメリットがあります。特に将来親と同居を考えているなら、独立した和室はおすすめです。もし同居がなくなったとしても、和室は汎用性が高いので、決してムダにはなりません。また通常の和室以外にも、小上がり型の和室があれば、子供の面倒を見ながら家事ができますし、ちょっとした休憩スペースにも使えます。ぜひ和室を活用して、本当にリラックスできる注文住宅づくりをおこなってください。当記事を読んで、和室に興味を持ったなら、あとは各メーカーのカタログを見て、より具体的なイメージづくりをおこなっていきましょう。

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