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注文住宅の外観は何で決まる?
注文住宅の外観を考えるにあたり、どういった要素で家の外観が決められていくのかについてお伝えしていきたいと思います。
建物全体の形
建物全体の形をどうするかによって外観が変わります。例えば、間取りを考えるときはどんな間取りにすると生活しやすいかを考えることが多いかと思いますが、外観を考えずにそうした、建物内での生活のしやすさや動線にばかり気を配っていると、外観がぱっとしない建物になってしまうことがあります。もちろん、家は生活するためのものですし、外観は優先順位が低いという方であればそうした選択もあるでしょう。一方、建物の外観もこだわりたいという方は、間取りを考える段階で外観についてもよく考えておく必要があります。
建物全体の色
建物全体の色をどのようにするかによって外観のイメージが変わります。例えば、黒系の色でまとめるとスタイリッシュな外観になりやすいですし、白やベージュといった色でまとめると清潔感のある外観になりやすいです。家の色については、近所の家を眺めてみて、どんな家があるのか、またどんな家にしたいかをイメージしてみるといいでしょう。住宅会社では建物外観のイメージを素材や3Dデータ等で確認できることが多いですが、実際に家を建ててみると、素材やデータで見るのとはイメージが違ってしまうこともあるため注意が必要です。
外壁の素材
家の外観にどんな素材を採用するかもポイントとなります。
タイル
外壁にタイルを貼り付けるタイプのもので、どちらかというと洋風の家に仕上げることができるでしょう。窯業サイディングでもタイル調の外観にすることはできますが、サイディングでは実現できない凹凸のある外観にすることもできます。また、タイルの場合、素材によっては、半永久的にメンテナンスしなくてもよいメンテナンスフリー素材もあります。一般的に窯業サイディング等より価格が高くなってしまいやすいですが、メンテナンス費用とトータルで考えるとお安く利用できることもあります。
窯業サイディング
2020年現在日本でもっともよく使われている素材で、さまざまな外観が用意されており、比較的安価で丈夫という特徴があります。最近の新築住宅を見てみると、ほとんどがこの窯業サイディングであることが分かると思います。窯業サイディングには実に多彩なデザインが用意されており、例えば、タイル調のサイディングやレンガ調のサイディング、塗り壁調のサイディングなどさまざまあります。なお、窯業サイディングにはいくつかの厚みのパターンがあり、厚みの薄いサイディングだと、家に直接サイディングを打ち込むため、近づくと釘が見えてしまいます。一方、厚みの厚いサイディングだと、家に引っ掛けることが可能となるため、釘の打ち込み跡が見えません。ただし、後者の方が費用が高くなってしまうため、費用を取るか、外観を取るかの判断が必要になります。
金属サイディング
屋根材にも使われるガルバリウム鋼板等を外壁に採用する方法で、金属の質感を持った外観にすることが可能で、これによりスタイリッシュな雰囲気を持った外観としやすいです。窯業サイディングより費用は高くなりやすいですが、耐久性が高く、トータルで見るとお得となることもあります。なお、金属サイディングは既存のサイディングの上から施工することが可能で、これ故、外壁リフォームの際に選ばれることの多い素材となっています。
塗り壁
いわゆるモルタルと呼ばれる素材を用いることの多い外壁で、サイディングのように工場で作った外壁を施工するのではなく、職人が現場で一つ一つ施工していくものです。このため、世界に一つだけの外観を持った住宅を作ることができますが、工期やコストが高い他、クラックなどのひび割れが起きやすいというデメリットもあります。1980年代頃まで多くの住宅でこの塗り壁が採用されていましたが、窯業サイディングの登場により、大きくシェアが落ちています。
ALC
ALCとは圧力処理済み軽量気泡コンクリートのことで、気泡を持つことから断熱性や遮音性に優れた素材となっています。厚さが37mm以上と、厚みがあることから重厚感のある掘りの深い立体感のある外観とすることができます。ただし、費用が高くなってしまう点に注意が必要です。
屋根のデザイン
屋根には切妻や片流れ、寄棟、入母屋、陸屋根など多くの形があります。最近の住宅では、太陽光発電システムを設置するために片流れの屋根にしているものも少なくありません。片流れ屋根は費用を安く済ませられるという特徴もあります。一方、家の屋根といえば三角の形をしている方がいいという方もいらっしゃるでしょう。こうした方の場合、寄棟などの形を選べばいいことになります。殆どの場合、屋根だけの形を変えることが可能なので、自分の好みの外観となるものを選ぶとよいでしょう。なお、先述の通り、屋根に太陽光発電を設置する場合には、屋根の外観にも影響が及ぶことに注意が必要です。
玄関のデザイン
玄関の形や種類によって家の外観にも影響が及びます。家を正面からみた時にまるで人の顔のように見えることがありますが、こうした場合、玄関が口の役割を果たすなど、外観に与える影響は大きいです。片開きの玄関や両開きのドア以外にも、親子玄関などさまざまな種類があります。
窓のデザイン
大きな窓のついた外観はそれだけで開放感のある家のように感じることができるでしょう。ただし、大きな窓はそれだけ費用が高くなりますし、開口部が大きくなってしまうことで、断熱性や気密性の低下につながることもあります。家の正面にあたる部分だけ大きな窓を採用するなどすると、効果的に理想の外観に近づけることができるでしょう。
庭や塀、門構え
庭や塀、門構えのある家とそうでない家とでは大きな違いがあります。特に大きな土地の上に家を建てるようなケースでは、こうした外構部分にかける費用が膨大になりやすい点に注意が必要です。外観以外にも車を野ざらしにしたくない場合はカーポートを設置する必要があるでしょうし、塀があるのとないのとでは防犯性にも影響が及びます。
注文住宅の外観にはどんな種類がある?
注文住宅の外観にはいくつかのスタイルがあります。住宅会社で外観のイメージを伝えるときに、こうしたスタイルについて知っておくと便利です。
洋風スタイル
伝統的な洋風スタイルのもので、例えば格子の入った窓や上げ下げタイプの窓を採用したり、外壁にレンガやラップサイディングを採用したりすることで実現しやすくなるでしょう。一口に洋風といってもさまざまなタイプがありプロヴァンス風やスパニッシュ風など希望があるのであればあらかじめ調べておくことをおすすめします。注文住宅には「洋風の住宅」と「本当の輸入住宅」があります。前者の場合、レンガ調の窯業サイディングを選ぶなどして、安価で洋風の住宅に仕立てることが可能です。一方、後者の場合は、実際に現地で使われているレンガや木材を使って家を建てます。例えば、キッチンの配置や高さなども、現地のスタイルに合わせて設計されるため、こだわりたいという方は後者がおすすめです。ただし、費用はかなり高くなってしまいやすいです。
洋風モダンスタイル
最近の新築住宅のことだと考えるとよいでしょう。比較的安価で丈夫な窯業サイディングを中心としたスタイルで、安価でありながら機能的かつ丈夫な家を建てることができます。先述の、窯業サイディング等を用いた洋風住宅がこちらのスタイルに該当することもあります。
和風スタイル
伝統的な和風の家を思わせるスタイルで、木を多用したり、玄関が引き戸であったり、縁側が設けられていたり、また屋根に瓦が採用されていたりなどが特徴的です。庭に松の木を植えたり、庭園風に仕上げたりすることもあります。屋根は切妻屋根が多くなっています。
和風モダンスタイル
和風テイストを残しつつ、最近の流行も取り入れたタイプのスタイルです。洋風モダンスタイルと同様、窯業サイディングで木目調など和風テイストの外観に仕上げるといったことで実現しやすくなります。屋根についても伝統的な素材を用いた瓦ではなく、スレート瓦(セメント瓦)を採用することでイメージに近づけるといった方法が取られます。
シンプルスタイル
ボックスタイプの外観など、すっきりとした印象を持たせるタイプのスタイルです。20代~30代等若い層に人気のあるスタイルで、片流れ屋根や陸屋根が採用されることが多くなっています。外観だけでなく、住まい方についてもできるだけモノを持たない生活を志向する方が選ぶことが多いようです。
注文住宅の外観で失敗しがちなこと
ここまで、注文住宅の外観について基本的な内容をお伝えしてきましたが、ここでは、これまでの内容を踏まえて、注文住宅の外観で失敗しがちなことをお伝えしていきます。
家の形
家の形については、先程少し触れましたが、中での過ごしやすさを重視するのか、外観もこだわりたいのかを先に決めておくことが大切です。これをしておかないと、例えば、北側の窓は日当たりがあまりないため、小さくすることが多いですが、こうすると、北側に道路のつく家の場合、家の正面に小さな窓ばかりがついて窮屈な印象を持たれやすくなっています。外観にこだわる欧米の住宅の場合、道路から見える部分の外観をファサードといって、方角に関わらず、おしゃれに見えるようこだわる傾向にあります。
家の色
家の色については、これも先ほど触れましたが、住宅会社や設備会社の提示するサンプルや3Dデータだけだと、実際に建った後の家と比べて印象が大きく変わりやすいです。可能であれば、住宅会社の建てたモデルハウスで外壁を確認するか、他のお客様が建てた家でイメージに近いものを見せてもらうとよいでしょう。
外壁
外壁についても上記と同様、サンプルと実際の外壁とでは距離感やサイズの問題からイメージが異なることが多いため、実際のものを見せてもらってから決めることをおすすめします。
注文住宅の外観を考える際の注意点
最後に、注文住宅の外観を考える際の注意点を見ていきましょう。
担当者に早い段階から正確にイメージを伝える
外観のイメージがあるのであれば、担当者に早い段階から伝えておくことをおすすめします。というのも、ここでお伝えしてきたように、家の外観は間取りや素材など他の要素と密接に絡むことが多く、明確なイメージがあるのであれば、そのイメージを前提に間取りづくりや素材選びを行っていく必要があるからです。確かに、詳細な外観を決めるのは後からではありますが、間取りが決まってから、例えば「家の正面は格好良くしたい」といった要望が出ると、間取りを一から作り直さないといけないという事態に陥りかねません。余計な手間がかかることを避けるためにも、早い段階でイメージを伝えておきましょう。
予算配分を早いうちに決めておく
家の外観をよくしようと思えば費用が高くなってしまいやすいです。また、間取りや素材の耐久性など、家の外観を変えることで影響が及ぶこともあります。あらかじめ、どのような予算配分にするか、優先順位を決めておくようにしましょう。例えば、タイルを使った家にしたいといったケースで、タイルに200万円かかるといった場合、その費用を捻出できるのか、また新しく捻出できない場合は、間取りを小さくするなど、他の要素を削ってまで、実現したいのかなど、事前に決めておくとスムーズです。これをしておかないと行き当たりばったりになりやすく、最終的に理想とは程遠い外観になってしまったということになりかねないのです。
担当者に相談をしながら決めましょう
注文住宅の外観についてお伝えしました。最近の住宅の多くで採用されている窯業サイディングは安価で丈夫かつデザインが豊富なため、そこまでこだわらないのであれば、比較的安価でおしゃれな住宅に仕上げることも不可能ではありません。一方、タイルやALCを採用するなどして外観にこだわりたい場合には、費用も高くなってしまいます。本記事の内容を参考に、間取りや性能など含めて、担当者にイメージを伝えるとともに、予算配分や優先順位を決めておくことをおすすめします。
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