注文住宅の見積もりはどうやって見る?相見積もりのコツや注意点

注文住宅を建てる予定の方にとって正しく見積もりをとることは最初の関門ともいえます。しかし、住宅に関する知識が薄い場合は、建築会社の比較方法がわからない…見積もり書の確認ポイントがわからない…などの不安を抱えていると思います。そこでこの記事では、見積もり書で失敗しないためのコツや注意点を解説していきます。見積もり書で失敗しないためにできることを学び、理想の住宅を建築しましょう。

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注文住宅の見積もりを依頼までの流れ

注文住宅の見積もりから依頼までの流れは以下の通りです。

  1. 希望条件と予算を考える
  2. 建築会社と相談
  3. 概算見積もりの確認と業者選定
  4. 詳細見積もりの確認と契約

具体的に説明していきます。

希望条件と予算を考える

注文住宅の見積もりをする前に希望条件と予算を考えることは重要です。というのも、希望条件と予算がなければ、建築会社が効率的な提案ができないためです。注意点は、事前に家族と相談し希望条件と予算を明確にしておくことです。建築会社に相談している過程で家族間に食い違いが出ると、話が進みにくくなってしまいます。

建築会社と相談

希望条件と予算に適した建築会社へ相談しましょう。注意点は、建築会社によって特徴が異なる点です。たとえば、

  • 低コストに特化した建築会社
  • 自然素材を得意としている建築会社
  • 特定のデザインや構造に特化した建築会社

など会社によって、得意とする分野は様々です。そのため、事前に建築会社の特徴を把握し、自分の希望条件と予算に適した数社の建築会社に相談しましょう。適切な建築会社を選定することで、理想の家づくりに近づけることができます。

概算見積もりの確認と建築会社の選定

建築会社を選定した後は概算見積もりを出してもらいましょう。概算見積もりとは、建築会社が想定した注文住宅の見積もり書のことをいいます。概算見積もり書は比較的簡単に出してもらうことができる一方で、精度は低いという特徴があります。とはいえ、まずは概算見積もりを出してもらうことで、建築会社のおおよその建築費用を把握しましょう。その見積もりを見てから建築会社の選定に入ります。

詳細見積もりの確認と契約

建築会社を決定した後は詳細見積もりを依頼します。概算見積もりは大まかな見積もりだったのに対して、詳細見積もりは自分の希望が正確に記載されている見積もりです。内装、外構、間取りなどを網羅した見積もりが提出され、実際の建築費用との誤差は少なくなります。自分が理想とする注文住宅を建てるために、自分の希望条件がしっかりと記載されているかどうかを確認しましょう。詳細見積もりの後は実際の契約に移ります。契約に押印した後の変更は、作業に遅れが出る・変更できないことがあるなど、トラブルの原因になるので注意が必要です。そのため、詳細の見積もりの時点で希望を明確にして、契約後は変更しないように建築会社としっかり打ち合わせしておくことをおすすめします。

相見積もりをスムーズに行うためのコツ

相見積もりをスムーズに行うためには以下のポイントを抑えましょう。

  • 相見積もりは2~3社で行う
  • 過度な値引き交渉は控える
  • 見積もりの期限を設ける
  • 条件を揃える

詳しく解説していきます。

相見積もりは2~3社で

相見積もりは2~3社という少なめにすることをおすすめします。理由は以下の2点です。

  • 多すぎると建築会社の真剣度が薄れる
  • 1社だと値引き交渉がしにくくなる

複数社から相見積もりをとるのではなく、本当に気になった建築会社からのみ相見積もりをとることで、建築会社に真剣度が伝わります。特にハウスメーカーの場合、真剣度が伝われば値引き交渉に応じるケースが多いです。そのため、相見積もりは必要最低限の建築会社からのみとることをおすすめします。

過度な値引き交渉は控える

過度な値引き交渉は控えましょう。というのも、値引き交渉をしすぎると建築会社側の心証が悪くなるためです。また、過度な値引き交渉は建築会社が前向きの提案がしにくくなり、結果的に機能性が良くない住宅になってしまう可能性があります。値引き交渉は建築会社の心証が悪くならない1~2回程度に抑え、気持ちよく住宅を建築してもらうということを意識しましょう。

見積もりの期限を設ける

見積もりには期限を設けましょう。建築会社によっては、見積もりの提出が想像以上に遅く、注文住宅のスケジュールが遅れる可能性があるためです。見積もりの提出が遅くなるケースは以下3点です。

  • 正確な見積もりを提出する方針の建設会社だった
  • 顧客の中で自分の優先度が低い
  • 希望条件があいまい

中には見積もり書を依頼してから、1か月以上待たされるケースもあります。通常、見積もり作成にかかる期間は、ハウスメーカーの場合1週間、工務店の場合2~3週間程度です。なるべく早く家に住みたいという方は見積もりの期限を設けることをお勧めします。

条件を揃える

条件を揃えることは見積もりを取る上で重要です。建築会社ごとに見積もりの条件が異なるので、条件を揃えなければ正確な比較ができないためです。特に以下の点はなるべく条件を揃えましょう。

  • 予算
  • 建物の構造
  • 建物のデザイン
  • 間取り
  • 建築面積
  • オプション

もちろん、建築会社によって得意・不得意がありますし、使っている素材も異なるので完全に条件を揃えるのは難しいです。条件を揃えることが難しい場合は、本当に重要な条件を揃えることを意識しましょう。

相見積もりがあることを伝える

相見積もりがあることは事前に建設会社に伝えましょう。理由は以下の3点です。

  • 建築会社は自社で契約してもらえる可能性を知りたい
  • 工務店の中には相見積もりができない会社もある
  • ハウスメーカーの場合は値引きしてくれる可能性がある

相見積もりをすることは悪いことではありませんが、建築会社は隠れて相見積もりをすることを好ましく思っていません。見積もりをとるのもコストがかかるため、購入意思が明確ではない顧客に対しては提出したくないためです。そのため、相見積もりをあることを事前に建築会社に伝え、そのうえで条件が合えば購入する意思があることを伝えておきましょう。

見積もり内容の比較方法

見積もり内容を比較するためには下記4つのポイントを確認しましょう。

  • 項目を理解する
  • 本体工事費
  • 付帯工事費
  • 諸経費

詳しく解説していきます。

項目を理解する

見積もりを取る際は費用の項目を理解する必要があります。というのも、費用の項目を正しく理解していなければ、見積もりを正しく比較できないためです。見積もり費用の項目は建築会社によって異なります。悪質な建築会社の場合、必須であるはずのキッチンや照明を見積もりにいれず、安く見積もりをだして契約を迫るケースもあります。実際に着工してから、別途料金が請求され数百万見積もりより上回ったというケースも少なくありません。そのため、実際の建築費用を概算するためにも、費用の項目は正しく理解しましょう。

本体工事費

本体工事費とは建物の本体の工事費のことをいいます。物件価格の総金額の約7割を占めます。代表的な項目を具体的に挙げていきましょう。

  • 地業・基礎工事:地盤固めと地面と建物の接点にある基礎に関わる工事
  • 木工事:木材の加工や骨組みなど住宅の基礎となる木に関わる工事
  • 屋根・板金工事:屋根に関わる工事。
  • 建具工事:木製または金属製の建具を取り付ける工事。玄関やガラスなど

本体工事費は住宅の基礎となる部分の工事費です。原則としてチラシなどで公表されている価格や坪単価は、この本体工事費のみのことをいいます。しかし、注文住宅を購入するときには、本体工事費の他に付帯工事費や諸経費など様々な費用がかかってきます。そのため、チラシやホームページの価格だけを見て、建築会社を選定することはおすすめできません。本体工事費だけではなく、総建築費用がいくらかかるのかという点に注目しましょう。

付帯工事費

付帯工事費とは建物本体以外で発生する工事費のことをいいます。代表的な項目を具体的に挙げていきましょう。

  • 地盤改良工事:地盤が弱いときに補強する工事
  • 外構工事:カーポート、柵、人工芝
  • 金属工事:表札の工事
  • 内装工事:カーテンやブラインド
  • 家具工事:食器棚やテーブル
  • 電気工事:照明
  • 空調工事:エアコン

この中でも特に注意したいポイントは外構工事です。概算費用よりも実際の価格が高くなるケースが多く、トラブルになりやすいポイントです。実際に注文するときは、どのような外構工事を希望するかという点を明確に建築会社に伝えましょう。

諸経費

諸経費は本体の設備以外に必要な経費のことです。およそ物件価格の5~7%程度が相場となっています。代表的な項目は以下のとおりです。

  • 事務手数料
  • 住宅ローンの保証料
  • 不動産の登記費用
  • 火災保険料、地震保険料
  • 各種税金

これらの諸経費は住宅の建築以外にかかる費用のため、見逃すことも多いです。予算オーバーとなる原因の一つとなりますので、必ず予算の中に組み込むようにしまよう。

注文住宅の見積もりを依頼する際の注意点

注文住宅の見積もりを依頼する際には以下の3つの点に注意しましょう。

  • 組み込まれていない費用をチェックする
  • 坪単価での比較は危険
  • 理解するまで質問する

具体的に解説していきます。

組み込まれていない費用をチェック

建築会社に見積もりを依頼する際は組み込まれていない費用を確認しましょう。というのも、見積もりにいれる費用は建築会社によって異なるためです。実際に工事に着工してから、見積もりよりも数十万~数百万上乗せされたというケースは少なくありません。具体的に確認したい費用は以下の7つです。

  • 建物の付帯設備に関わる費用(照明やインテリアなど)
  • 外構工事に関わる費用
  • 火災保険料、地震保険料
  • 引っ越し費用
  • 不動産に関わる登記費用
  • 紹介料
  • 家具家電

これらの費用は、見積もりに部分的に組み込まれていないケースがあります。特に安さを売りにしているローコストメーカーの場合、極力見積もりの費用を抑えておきたいです。そのため、最低限の費用しか見積もりしないケースが多いです。実際に着工してから想像するよりも値段が高くなり、予算オーバーしたという失敗を防ぐためにも各費用の項目は確認しておきましょう。

坪単価で比較しない

坪単価での比較は危険なので、やめましょう。坪単価とは、注文住宅を購入する際の1坪あたりの建築費のことをいいます。坪単価は各社が想定している注文住宅の費用から算出されます。各社自由に算出できるため、実際の工事費より安く算出されることが多いです。たとえば、実際に住む上で必要なはずの工事内容を記載させないで、安く見せている住宅メーカーもあります。また、坪単価は基本的な構造や形状での費用を基本として算出しています。そのため、こだわりの注文住宅にしたいという場合、見積もりの金額よりもさらにコストが高くなる可能性があるのです。このような理由で、坪単価での比較はあまり意味がありません。比較するときは各項目をしっかりと確認して、総工事費はどのくらいになるのかを見積もりましょう。

理解するまで質問する

見積もりに関しては費用の内容を理解できるまで、建築会社に質問をすることが重要です。理解しないまま着工して、自分が希望していた内容と違ったというケースは少なくありません。特に以下の3点は必ず質問しておきましょう。

  • 自分が希望している設備や機能は含まれているか
  • 同じ項目なのに、他社よりも高い費用項目の内容
  • 見積もり以外で必要となる可能性の高い費用はあるか

住宅は多数の費用項目があるため、全てを理解するまでには手間がかかります。しかし、正しい見積もりが取れなかったために、予算オーバーで理想の注文住宅にならなかったというケースは少なくありません。本気で購入する気持ちがあるなら、質問することは悪いことではありません。必ず各費用項目について、事前に建築会社に質問し、正しい理解をもってから着工するように心がけましょう。

正しく見積もりを把握することは重要

今回は注文住宅の見積もりの見方と相見積もりのコツや注意点について解説していきました。その中でも、特に「見積もりを取る前に予算や希望条件は決めておく」「正しい見積もりを取るために費用の項目を正しく理解する」という点は重要です。正しく見積もりをすることは、理想の注文住宅を購入するための第一歩といえます。ぜひ本記事を参考にして、相見積もりのコツや注意点を学び、理想な注文住宅を購入してみてください

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