坪単価とは?注文住宅での相場と注意すべき点

注文住宅の建築を検討している人なら「坪単価」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、坪単価とは何か?相場はどのくらいなのか?という点を知っている人は少ないと思います。ただ、坪単価は注文住宅の価格と直結するので、注文住宅を建築するなら必ず知っておいた方が良いです。そこでこの記事では、坪単価の概要や相場、坪単価に関して注意すべき点などを解説していきます。注文住宅の建築を検討している人はぜひチェックしてみてください。

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坪単価とは?

坪単価とは、1坪当たりの建築費のことです。1坪とは約3.3㎡で約2畳分です。ただ、畳は種類ごとにサイズが異なるため、あくまで目安の広さとして認識ください。たとえば、3LDKの120㎡の一戸建ては約36.3坪になります。仮に、この一戸建ての建築費用が3,200万円の場合は、坪単価は約88.1万円(3,200万円÷約36.3坪)です。しかし、坪単価は延床面積と施工面積のどちらで換算するかは施工会社によって異なるので注意が必要です。この点は後述する「坪単価を比べる際の注意点」で詳しく解説します。ここでは、「坪単価は1坪(≒3.3㎡≒2畳)の建築費用」と認識しておけば問題ありません。

施工会社ごとの坪単価の相場

次に、施工会社ごとの坪単価の相場について解説します。そもそも注文住宅の施工会社は大きく分けて以下3種類あります。

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • 設計事務所

結論からいうと、ハウスメーカーと設計事務所は坪単価の幅が広いです。また、工務店に依頼すると坪単価は比較的低くなりやすいでしょう。以下より、施工会社ごとの坪単価について詳しく解説します。また、住宅支援機構の「データ」で見る坪単価も合わせて解説するので、坪単価の参考にしてください。

ハウスメーカー

まず、ハウスメーカーに建築を依頼すると、坪単価30万円~50万円のハウスメーカーもあれば、建築費用が70万円~90万円超のハウスメーカーもあります。ハウスメーカーの坪単価に差がある理由は以下の点です。

  • 広告費用などの販促費用が違う
  • 仕様や設備が違う

広告費用などの販促費用が違う

ハウスメーカーの坪単価に差がある1つ目の理由は、広告費用などの販促費用が異なるからです。この点は、工務店よりもハウスメーカーの坪単価の方が高くなりやすい理由でもあります。というのも、ハウスメーカーの中にはテレビCMを含む広告活動を大々的に行う会社もあります。また、住宅展示場を構えてイベントを開催するなど、販促費を投下している会社も多いです。この販促費はそのまま建築費用に上乗せされるため、販促費を大量に投下しているハウスメーカーの坪単価は高くなるのです。

仕様や設備が違う

ハウスメーカーの坪単価に差がある2つ目の理由は、建物の仕様・設備が違うという点です。たとえば、大手ハウスメーカーの場合だと「独自の空調システム」や「独自の断熱工法」などを採用しているので、ハイグレードな仕様になります。そうなると、自ずと坪単価が上がるというわけです。完全に比例するわけではありませんが、坪単価が高い建物の場合は仕様・設備がハイグレードと思って問題ないでしょう。

工務店

工務店に建築を依頼すると、坪単価は50万円ほどが多いようです。工務店の坪単価は、ハウスメーカーの7割ほどの金額になるといわれています。ただそれは、前項でいう「高い部類のハウスメーカー」と比較したときの話です。そんな工務店の坪単価については以下を解説します。

  • ハウスメーカーと工務店の違い
  • 工務店ごとでも単価が異なる理由

ハウスメーカーと工務店の違い

そもそもハウスメーカーと工務店は何が違うのか?と思っている人も多いでしょう。この2つの違いは色々ありますが、簡単にいうとハウスメーカーは大手建築会社で、工務店は地元密着型の建築会社です。そのため、ハウスメーカーは全国的に有名な会社で、工務店は主に地元の人が知っている会社になります。また、工務店の方が坪単価は安いものの、決してハウスメーカーよりも建物が劣っているわけではありません。上述のように、ハウスメーカーは広告費などの販促費用が価格に乗っているので、坪単価が高くなっているケースがあるのです。そのため、建築会社を選ぶときはハウスメーカー・工務店という会社の種類だけでなく、その建築会社がどのような家を得意としているか?という点から選ぶことが重要です。

工務店ごとでも単価が異なる理由

ただし、工務店の坪単価が50万円ほどといっても、ハウスメーカーと同じく工務店によって坪単価は異なります。理由は、工務店ごとに工法やサービス内容が異なるからです。地元の工務店のサイトなどを見ると、以下のように工務店ごとに工法やサービスに特徴があります。

  • アフターサービスの期間が長い
  • 内装の仕上げに実績がある
  • 天然材を取り入れた仕様が得意

工務店ごとにも特徴が異なるため坪単価も異なるというわけです。

設計事務所

設計事務所の坪単価は事務所によって大きく異なります。イメージとしては、ハウスメーカーの金額が高い方(70万円~90万円超)くらいと思っておきましょう。また、そもそも設計事務所に注文住宅を依頼するとはどのようなことか?と思っている人もいると思うので、ここでは以下について解説していきます。

  • 設計事務所に注文住宅を依頼する流れ
  • 設計事務所の坪単価

設計事務所に注文住宅を依頼する流れ

設計事務所に注文住宅を依頼する際は、ハウスメーカーや工務店ではなく「○○設計事務所」のように設計を主業とする事務所に注文住宅の建築を相談します。そして、設計事務所と「設計管理委託業務契約」を結んだ後に、工務店や建築会社に建築を依頼するという流れです。というのも、設計事務所が実際に建築するわけではないため、建築会社依頼する必要があるからです。一方、ハウスメーカーや工務店に建築を依頼すると、お抱えの設計事務所に設計を依頼して自社で建築するという流れです。つまり、ハウスメーカーや工務店という「建築」を主業とする会社を窓口にするのか?設計事務所という「設計」を主業とする事務所を窓口にするのか?という違いになります。

設計事務所の坪単価

設計事務所の坪単価は、グレードが高いハウスメーカー並です。とはいえ、設計事務所によって坪単価の差は大きく、それはハウスメーカーごとの坪単価よりも大きいといえます。たとえば、有名な建築家が設計するのであれば坪単価は跳ね上がります。一方、地元密着型の設計事務所であれば、それほど坪単価は高くならないでしょう。つまり、設計事務所の坪単価は属人的な要素が大きいので、金額差が大きくなりやすいというわけです。ここまでで、ハウスメーカー・工務店・設計事務所ごとに坪単価の目安が分かったと思います。

住宅支援機構のデータで見る坪単価

次に、住宅支援機構のデータで見る坪単価を解説します。住宅支援機構は住宅ローン「フラット35」を提供しているので、このデータはフラット35利用者のデータです。注文住宅を建築するためにフラット35を利用した人は、平均で126.8㎡(約38.3坪)の住宅を建築しています。その広さをそれぞれエリアごとの注文住宅(建物)の価格で割り戻すと、坪単価は以下になります。

  • 全国:坪単価88.6万円(建築費用3,395万円)
  • 首都圏:坪単価96.4万円(建築費用3,964万円)
  • 近畿圏:坪単価91.4万円(建築費用3,504万円)
  • 東海圏:坪単価90.2万円(建築費用3,456万円)
  • その他地域:坪単価84.2万円(建築費用3,228万円

上記の金額を見ると、ハイグレードなハウスメーカーばかりに発注しているのか?と思うかもしれません。しかし、詳しくは後述しますが上記の金額は建物の本体工事以外に「外構工事」などが含まれている金額です。そのため、「総工費の坪単価」の目安として認識しておきましょう。この章では、ハウスメーカー・工務店・設計事務それぞれの坪単価の目安が分かったと思います。

坪単価を比べる際の注意点

次に、坪単価を比べる際に注意すべき以下の点を解説します。

  • 算出方法のルールがない
  • 本体工事費以外の費用を比較できない

算出方法のルールがない

まず、坪単価は算出方法のルールがありません。上述したように、「建築費用÷坪数」で坪単価は求められるものの、その坪数は延べ床面積と施工面積の2種類あります。延床面積は、玄関ポーチやバルコニー部分など「床ではない部分」を含めません。一方、施工面積は床ではない部分も含めた面積になります。つまり坪単価60万円でも、延べ床面積で算出しているのか施工面積で算出しているのかで意味合いが変わってくるのです。そのため、まずは延床面積で算出しているのか?施工面積で算出しているのか?という点を確認した方が良いでしょう。

本体工事費以外の費用を比較できない

注文住宅を建築する際の費用は本体工事だけではありません。総工費の8割ほどが本体工事ではありますが、以下のような付帯工事費用も発生します。

  • 既存物の解体工事費用
  • 基礎補強工事費用
  • 造成工事費用
  • インテリアや電設関連費用
  • 外構工事

一般的に「建築費用の坪単価」は本体工事の坪単価を指します。しかし、実際の総工費は「本体工事の坪単価」+「上記の付帯工事費用」になるため、その点は認識しておく必要があります。この章では、坪単価を比べるときの注意点である「算出方法のルールがない」「本体工事費以外の費用を比較できない」という点を解説しました。

坪単価を抑えるためのコツ

次に、坪単価を抑えるコツである以下を解説します。

  • 階の床面積をそろえる
  • 建築予算の上限を決めておく
  • 複数社を比較検討する
  • 坪単価はあくまで目安として考える

階の床面積をそろえる

1つ目のコツは、階の床面積をそろえるという点です。というのも、階の床面積をそろえれば凹凸の少ない建物になります。凹凸が少ないということは、余計な壁部分や窓部分がないということです。そのため、凹凸がある建物よりは建築費用を抑えられるので、坪単価も抑えられるというわけです。もちろん、物件によっては斜線制限などがある関係で、階の床面積をそろえられないケースもあります。ただ、階の床面積をなるべくそろえて凹凸が少ない建物にすれば、坪単価が抑えられる点は覚えておきましょう。

建築予算の上限を決めておく

2つ目のコツは建築予算の上限を決めておくことです。というのも、建築予算はキリがありません。設備や仕様、デザインなどは凝れば凝るほど建築費用が上がっていくからです。建築費用が上がっていけば、当然ながら坪単価も上がっていきます。そのため建築予算の上限を決めておき、建築費用が無駄に上がることを防ぎましょう。また、建築費用を決めておくこと自分の中で優先順位が固まるため、設備・仕様の取捨選択もしやすくなります。

複数社を比較検討する

3つ目のコツは複数の建築会社を比較検討することです。建築会社はそれぞれ工法や仕様・設備などが異なるので、建築費用にも違いが出ます。そのため、複数の建築会社に見積もり依頼して比較検討することが重要です。その際は金額面だけでなく、建物の間取りや設備・仕様など「建物の質」についてもきちんと比較しましょう。

坪単価はあくまで目安として考える

4つ目のコツは、坪単価はあくまで目安として考える点です。上述したように、坪単価は建築会社によって延べ床面積を元にしているのか施工面積を元にしているのか異なります。また、坪単価は付帯工事費用が含まれていないため、その点でも後々ブレやすいです。このような背景があるので、坪単価はあくまで目安として捉えておきましょう。注文住宅を建築する上で重要な点は、建物本体と付帯工事費用の合計である「総工費」です。そのため、坪単価だけでなく建築会社ごとの総工費を見極めることが重要になります。

坪単価はあくまで参考値

このように、坪単価は「1坪当たりの建築費用」になります。ただし、建築会社によってベースとなる面積が異なる上に「坪単価≒総工費」ではないので、あくまで参考として認識しておきましょう。坪単価ではなく総工費を知るためには、建築会社に資料請求するのが一番早く正確です。そのため、注文住宅の坪単価を知りたい人は、注文住宅情報サイトで建築会社へ資料請求したり、専門家に相談してみると良いです。

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