注文住宅の予算はいくら?費用や価格相場について徹底解説

注文住宅の建築を検討している人の中には、注文住宅はどれくらいの予算が妥当なのか?と疑問に思う人もいるでしょう。注文住宅は1,000万円台の住宅から5,000万円を超える住宅まで幅広いので、このような疑問を持つのも無理はありません。そこでこの記事では、注文住宅の予算はいくらか?という疑問について、そもそも家を建てるお金にはどのような種類があるか?年収別の予算や注文住宅の費用を抑える方法は?などを解説していきます。

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注文住宅で家を建てる際にかかるお金

家を建てる際にかかるお金は大きく分けて以下3種類に分かれます。
  • 土地代
  • 建物代
  • 諸費用
以下よりこの3つの概要について解説します。その後、実際にどのくらいが目安金額なのか?という点を、住宅支援機構(フラット35)の資料を基に解説していきます。

土地代

まずは土地代が必要です。注文住宅を建築する際、土地を保有していない場合は土地から購入する必要があります。土地によっては「地盤改良工事費用」など、ほかの費用が発生しないか?という確認が必要です。土地は不動産会社に仲介を依頼するパターンと、ハウスメーカーなどの施工会社に土地を紹介してもらうパターンがあります。

建物代

次に建物代です。注文住宅はハウスメーカーや工務店などに建物の建築を依頼するため、建築費用がかかってきます。建築費用については、建物本体以外にも以下が含まれる点は認識しておきましょう。
  • 内装工事
  • 設備工事
  • 外構工事(庭など)
建物代は、依頼する施工会社や建物の間取り・仕様・設備によって大きく異なるので、施工会社は複数社を比較することが重要です。

諸費用

注文住宅を建築するときには、諸費用として以下の費用がかかります。

  • 印紙税:土地・建物の売買契約およびローンの本契約時
  • 仲介手数料:物件価格の3%+6万円
  • 登記費用:所有権を自分の名義にするための費用
  • ローン関係費用:保証料や手数料
  • 固定資産税や都市計画税の精算金

諸費用額は「土地と建物の総額×4~8%程度」が目安です。諸費用額はケースバイケースなので、実際には不動産会社に見積もりを提示してもらいます。ケースバイケースというのは、たとえば土地は保有しているのか?仲介してもらうのか?で仲介手数料が発生するかどうか変わってきます。また、金融機関によってローン関係費用は異なりますし、頭金額によっても諸費用額は変わってくるのです。そのため、一旦の目安として購入総額の4~8%程度の諸費用が発生すると思っておきましょう。

ここまでで、土地代・建物代・諸費用の概要が分かったと思います。

実際の平均予算

次に、実際に注文住宅を建築するときの平均予算について以下3パターンで解説します。

  • 注文住宅(建物のみ)の平均予算
  • 土地付き注文住宅の平均予算
  • 諸費用込みの平均予算

なお、次項より解説している所要資金とは、フラット35(住宅ローン)申し込み時点における予定建設費用や土地取得費用のことです。

注文住宅(建物のみ)の平均予算

注文住宅のうち建物のみの所要資金は以下の通りです。

  • 全国 :3,395万円
  • 首都圏:3,694万円
  • 近畿圏:3,504万円
  • 東海圏:3,456万円
  • その他 :3,228万円

このように、3,500万円前後の資金が平均予算になります。

土地付き注文住宅の平均予算

次に土地付き注文住宅の所要資金は以下の通りです。

  • 全国 :4,113万円
  • 首都圏:4,775万円
  • 近畿圏:4,227万円
  • 東海圏:4,107万円
  • その他 :3,762万円

上記のように、土地を購入して注文住宅を建築する場合は、4,000万円台の前半がボリュームゾーンです。

諸費用込みの平均予算

次に、諸費用込みの平均予算は以下の通りです。

エリア建物のみ土地+建物土地+建物+諸費用(6%)
全国3,395万円4,113万円4,360万円
首都圏3,694万円4,775万円5,062万円
近畿圏3,504万円4,227万円4,481万円
東海圏3,456万円4,107万円4,353万円
その他3,228万円3,762万円3,988万円

仮に諸費用が土地と建物総額の6%の場合、上記のように首都圏では5,000万円超、全国平均では4,360万円ほどになります。もちろん注文住宅を建築するエリアや仕様・設備によって金額は変わってくるものの、1つの目安として頭にいれておきましょう。

年収から注文住宅の予算を計算してみよう

次に年収から予算を計算してみます。前項で解説した予算は、年収別ではなくフラット35(住宅支援機構)を利用した人の全体平均です。しかし、実際は年収によって予算も変わってくるでしょう。この章では年収と予算の関係を解説した後に、無理なく返せる住宅ローン借入額について解説していきます。

年収と予算の関係

年収と予算の関係については、「予算は収入の25%程度が目安」と認識しておきましょう。仮に年収が450万円の場合は毎月の返済額が112.5万円(450万円×25%)で、月々返済だと約9.4万円ということです。また、注文住宅をはじめとした不動産を購入するときは、頭金を2割ほど用意する人が多いです。住宅支援機構の資料でも頭金は全国平均で18.7%だったので、頭金は2割程度が目安と思って問題ないでしょう。ただし、18.7%は注文住宅(建物のみ)の場合であり、土地付き注文住宅の場合は総額が上がるので頭金は10.9%まで下がります。そのため、上記はあくまで目安金額であり、人によって予算や頭金額は異なると認識しておきましょう。実際に予算や頭金額を決めるときは、自分の現在の年収・支出、および将来的な年収・支出を加味して決めることが重要です。

無理なく返せる住宅ローンの目安

次に、無理なく返せる住宅ローンの目安を以下2つのパターンで解説していきます。

  • 月々の返済可能額が逆算する
  • 住宅支援機構の資料から逆算する

月々の返済可能額が逆算する

まずは、月々の返済可能額から逆算しましょう。たとえば、月々の返済可能額が11万円だとします。その場合、住宅ローン返済が年間132万円なら問題ないということです。仮に、借入期間35年・元利均等返済で住宅ローンを組んだ場合には、金利ごとに返済可能額を計算すると以下の通りです。なお頭金は物件金額の2割を想定しています。

金利借入金額(年間131万円以下)頭金(2割)借入金額(予算)
0.50%4,200万円840万円5,040万円
0.60%4,100万円820万円4,920万円
0.70%4,000万円800万円4,800万円
1%3,800万円760万円4,560万円
1.50%3,500万円700万円4,200万円

住宅支援機構の資料から逆算する

次に住宅支援機能の資料から逆算して、無理なく返せる住宅ローンの目安を解説していきます。以下、注文住宅(建物のみ)と土地付き注文住宅の順番で解説します。

<注文住宅(建物のみ)の購入時>

注文住宅(建物のみ)を購入した人の年収倍率は以下の通りです。

  • 全国:6.5倍
  • 首都圏:6.6倍
  • 近畿圏:6.8倍
  • 東海圏:6.5倍
  • その他:6.3倍

上記の全国平均6.5倍をベースに年収別で予算を算出すると以下になります。

年収予算
400万円2,600万円
500万円3,250万円
600万円3,900万円
700万円4,550万円
800万円5,200万円
900万円5,850万円
1,000万円6,500万円
<土地付き注文住宅の購入時>

土地付き注文住宅を購入した人の年収倍率は以下の通りです。

  • 全国:7.2倍
  • 首都圏:7.6倍
  • 近畿圏:7.5倍
  • 東海圏:7.3倍
  • その他:6.9倍

上記の全国平均7.2倍をベースに年収別で予算を算出すると以下になります。

年収予算
400万円2,880万円
500万円3,600万円
600万円4,320万円
700万円5,040万円
800万円5,760万円
900万円6,480万円
1,000万円7,200万円

ここまでで、住宅支援機構の資料などから、年収とローン返済額および予算のイメージができたと思います。

予算別!建てられる注文住宅はどんな家?

次に、予算別でどのような家を建築できるのか?という点について解説します。以下より、1,000万円・2,000万円・3,000万円・4,000万円と予算別に解説していきます。なお予算には土地代は考慮していません。

予算1,000万円台の場合

予算1,000万円台は凹凸の少ないシンプルな家になります。シンプルな家とは、屋根や壁の形状は凹凸がなく、たとえば「出窓」などの余計な装飾がない家です。というのも、そのようなシンプルな家の方が建物代は安価になるからです。また、内装や設備も標準仕様か、ややグレードが落ちた仕様・設備になるため、住宅展示場やカタログなどで確認しておくことが重要です。間取りもシンプルで、LDK・主寝室・子供部屋×2のファミリータイプが多いでしょう。また、廊下などの居室以外の部分は極力少ない「無駄のない効率的な間取り」になります。

予算2,000万円台の場合

予算2,000万円台は、どこか自分のこだわりポイントを1つ取り入れることができます。具体的には以下のようなポイントです。

  • 外観に凹凸をつけてオシャレな雰囲気にする
  • 水まわり設備をハイグレードにする
  • 床暖房やエコカット(タイル調の壁)など居室設備をハイグレードにする
  • 建具などの仕様をハイグレードにする

もちろん上記のように1部分だけではなく、複数のこだわりポイントを取り入れることも可能です。ただし、こだわり部分が多すぎると予算オーバーになってしまうので、自分がこだわる優先順位を決めておいた方が良いでしょう。

予算3,000万円台の場合

上述したように注文住宅(建物のみ)の全国平均が3,000万円台なので、3,000万円台の予算があれば平均的なグレードの家を建築できます。一例としては、以下のような家が建てられるでしょう。

  • 外観の一部がタイル調の家
  • キッチンをハイグレードなオープンキッチンにする
  • パントリーや納戸などのように収納部分を増やす
  • 子供部屋と寝室以外の居室を設ける

このように、3,000万円台の予算があれば2,000万円台よりも、さらに「こだわり」ポイントを実現できます。

予算4,000万円台の場合

次に予算4,000万円台の家を紹介します。予算が4,000万円台であれば全国平均を超えているため、ハイグレードな家を建築できます。一例としては以下のような家です。

  • 家をコの字にして中庭を作る
  • エントランス部分を吹き抜けにする
  • 水まわり部分を全て最新設備にする
  • フローリングを天然無垢の床材にする

このように4,000万円台の予算なら、特殊過ぎない要望であればある程度は実現できるでしょう。ただ、全てを実現できないこともあるため、やはり自分の中で優先順位を決めておくことは重要です。この章では、予算別に建築できる家を紹介しました。ハウスメーカーや工務店によって建てられる家は異なるので、カタログなどを取り寄せて建築可能な家を確認しておくことをおすすめします。

予算オーバー?注文住宅を建てる際の費用を抑えるコツ

次に、予算オーバーしたときに費用を抑えるコツを解説します。予算オーバーしたときは、具体的に以下4つのコツがあります。

  • 建物や屋根をシンプルなものにする
  • オプションを抑える
  • 設備のグレードを上げない
  • 水まわりをまとめる

これらを、もう少し詳しく解説します。

建物や屋根をシンプルなものにする

まずは建物や屋根をシンプルにすることです。たとえば、上述した「コの字型で中庭がある家」と「凹凸がない家」をイメージしてみてください。凹凸がない家の方が壁面および窓面が少ない家になることが分かると思います。そうなると、建築部材も少なくて済みますし建築期間も短くなるため、建築費用を抑えることにつながるのです。これは、屋根をシンプルしても同じことがいえます。

オプションを抑える

次にオプションを抑えることでも建築費用を抑えることができます。オプションとはたとえば以下のことです。

  • パントリーをキッチン横につくる
  • 玄関をセンサーライトにする
  • 電子キーを導入する
  • 庭をウッドデッキにする
  • タッチレス水栓にする

確かに上記のようなオプションを取り入れれば利便性は増します。しかし、オプションを多く取り入れるほど建築費用は上がるので、自分の中で優先順位を決めて取捨選択することが重要です。

設備のグレードを上げない

次に、設備のグレードを上げないことです。ここでいう設備とは、主にキッチン・洗面・浴室・トイレといった水まわり設備のことです。というのも、水まわり設備はグレードによって大きく金額が異なります。そのため、設備のグレードを上げ過ぎないことが、建築費用を抑えるコツになるのです。これも前項と同じく、自分の中で優先順位を整理しておき取捨選択することが重要になります。

水まわりをまとめる

次に、水まわりをまとめることも建築費用を抑えるコツになります。なぜなら、水まわりをまとめておくことで、配管工事や設備の取り付け工事のコストが下がるからです。もちろん間取によっては水まわりが離れてしまうこともあるでしょう。しかし、「水まわりをまとめると建築費用が抑えられる」という点を理解しておくことで、間取りの相談時に建築費用を抑える方法としてこちらから提案することもできます。

施工例を見て、予算別の建物イメージをつけよう

この記事では住宅支援機構のデータなどを基にして、年収別の予算などを解説しました。ケースバイケースではあるものの、参考として認識しておくと良いでしょう。また、実際は施工会社のカタログを請求して施工例を見ることで、予算別の建物イメージが湧きます。そのため注文住宅の予算に悩んでいる方は、予算別に施工会社のカタログを取り寄せると良いでしょう。その資料でイメージを膨らませることで、自分の理想の家も徐々に分かってきます。

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