「一戸建て」と「マンション」どっちが得?メリット・デメリットを徹底比較

マイホームの購入を考えている人の中には、一戸建てとマンションのどちらを購入しようか迷っている人もいるでしょう。たしかに、一戸建てとマンションはそれぞれ特徴があるので、迷うのも無理はありません。そこでこの記事では、購入するなら一戸建てとマンションのどちらがお得か?という点を徹底解説していきます。具体的には費用面・生活面・構造面を比較していくので、一戸建てとマンションどちらを買おうか迷っている人は参考にしてください。

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マンションのメリット・デメリット

マンションと一戸建てを比較する前に、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。まず、マンションのメリット・デメリットは以下の通りです。

<メリット>

  • 立地が良い
  • セキュリティが高い
  • 防災面に優れている

<デメリット>

  • 価格が高い
  • 土地部分の資産価値が低い
  • 集合住宅なので近隣への配慮が必要
  • リフォームの自由度が低い

詳しく解説します。

マンションのメリット

マンションのメリットは、「駅前」など立地が良い物件が多いです。立地はそのまま利便性に直結するため、マイホームを選ぶときの重要な要素となります。また、マンションはオートロック・セキュリティシステム・管理人による有人管理など、セキュリティ面に優れている点もメリットといえます。さらに、マンションの大半は鉄筋コンクリート造なので、地震・火災などの防災面に優れている点もメリットです。

マンションのデメリット

マンションのデメリットは、後述しますが、一般的にマンションの価格は高めの傾向にあります。また、土地は入居者全員で共有しているため、土地部分の資産価値が低い点もデメリットといえるでしょう。そして、マンションは集合住宅なので上下階や隣にも居住者がいます。そのため、生活音への配慮などが必要です。さらに、たとえ室内のリフォームでも管理組合への届出が必要など、ルールが多い点もマンションのデメリットといえるでしょう。

一戸建てのメリット・デメリット

一戸建てのメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
  • 価格が安価
  • 土地部分の資産価値が高い
  • 独立性やプライバシー性が高い

<デメリット>

  • 好立地な一戸建ては少ない
  • セキュリティや防災面はマンションに劣る

基本的にはマンションのメリット・デメリットの逆なので、以下より簡単に解説します。

一戸建てのメリット

一戸建てのメリットは、後述しますが、一戸建てはマンションよりも安価な物件が多いです。また、土地は共有ではなく自分だけに所有権があります。土地は経年劣化しない資産なので、将来的に資産価値が下がりにくい点も一戸建てのメリットといえます。さらに、上下階やすぐ隣に住戸があるわけではないので、独立性・プライバシー性が高い点もメリットといえるでしょう。

一戸建てのデメリット

一戸建てのデメリットは、「駅前」などの好立地物件は少なく、セキュリティ面や防災面がマンションに劣る点はデメリットといえます。
ここまでで、マンションと一戸建てのメリット・デメリットが分かったと思います。

マンション・一戸建てを費用面での比較

では、ここから一戸建てとマンションを具体的に比較していきます。まずは、費用面について以下を比較していきましょう。

  • 建築費
  • 税金
  • 購入後の維持・管理費
  • 売却時の資産価値

建築費

建築費(物件購入費)はマンションの方が高いというデータがあります。というのも、住宅支援機構(フラット35)のデータによると、物件種別ごとの物件所要金額(≒物件購入額)は以下の通りだからです。

  • マンション:4,437万円
  • 土地付注文住宅:4,113万円
  • 建売住宅:3,442万円

このように、マンションと建売住宅では約1,000万円の差があります。ただし、物件価格はエリアによっても異なりますし、物件の設備・仕様によっても異なるため参考価格として認識ください。

税金

マンションも一戸建も毎年固定資産税がかかります。購入時はマンションの方が税金は優遇されますが、一定期間居住すると一戸建ての方が税金は安くなるでしょう。まず、固定資産税の税率は以下の通りです。

  • 土地(宅地)の固定資産税=土地評価額×1.4%×1/6
  • 建物の固定資産税=建物評価額×1.4%

※東京都主税局「固定資産税・都市計画税の概要」を参照

上記のように、建物が建っている土地の固定資産税は1/6まで減税されるという制度があります。さらに、マンションは新築から最長5年間、一戸建ては最長で3年間は建物の固定資産税が1/2に減税されます。とはいえ、マンションは固定資産税のうち建物の割合が大きく、一戸建ては土地の割合が大きいです。土地は上記のように1/6の減税措置があるため、新築の優遇措置が終わってからは一戸建ての方が税金は安価になりやすいでしょう。

購入後の維持・管理費

購入後の維持・管理費については、マンションは自動で引き落とされますが、一戸建ては自分で積み立てる必要があります。マンションは「管理費・修繕積立金」という名目で、毎月「維持・管理費用」の支払い義務があります。言い換えると、維持・管理費用が勝手に貯まっていくということです。一方、一戸建ては支払い義務がないため、逆にいうと自分で別途貯めておく必要があるのです。国土交通省の資料「計画修繕ガイドブック」によると、RC造20戸のマンションの修繕積立金は30年間で戸当たり約225万円になります。一方、平均築年数35.8年の一戸建ての修繕費は、平均で総額556万円程度かかるといわれています。このように、物件の劣化具合によりますが、一戸建ての方が修繕費用は高額になります。ただし、そもそも一戸建ては修繕するかどうか自分で選べる点はメリットといえるでしょう。

売却時の資産価値

売却時の資産価値は、「経年劣化しない土地」がある一戸建てが有利といえます。ただ、建物部分の資産価値はマンションの方が落ちにくいです。というのも、木造建物なら築20年~25年で資産価値はゼロになります。一方、レインズのデータによると、マンション価格と築年数の関係は以下の通りです。

  • 築0~5年:84.39万円(㎡)
  • 築6~10年:73.38万円(㎡)
  • 築11~15年:62.53万円(㎡)
  • 築16~20年:55.04万円(㎡)
  • 築21~25年:42.70万円(㎡)
  • 築26~30年:30.71万円(㎡)
  • 築31年~:32.42万円(㎡)

築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)

築10年程度で約13%下落、築20年程度で約35%下落、築30年程度で約64%下落です。このように建物価格は鉄筋コンクリート造のマンションの方が落ちにくいです。とはいえ、やはり「経年劣化しない土地」がある一戸建ての方が、将来的に資産価値が下がりにくい不動産といえるでしょう。

マンション・一戸建てを生活面で比較

次に生活面について以下を比較していきましょう。

  • 立地
  • コミュニティ
  • セキュリティ
  • 防音
  • 防災
  • 生活動線

立地

立地はマンションの方が良いケースが多いです。というのも、マンションは階層が高い建物なので、1つの土地に多くの世帯が入居できます。たとえば、駅前に300㎡の土地があるとしましょう。仮に、マンションを建築するなら15世帯が入居でき、一戸建てなら3世帯しか入居できないとします。そうなると、一戸建てを建築するときの方が土地代の負担は5倍(15世帯÷3世帯)になるということです。このように、一戸建ては購入者の土地負担額が大きいため、「駅前」などの好立地な土地にはマンションが建築されるケースが大半です。そのため、マンションの方が必然的に立地は良くなります。

コミュニティ

コミュニティは、マンションの方がやや面倒といえます。マンションは集合住宅なので、生活音などに配慮しなければいけません。一方、一戸建てはマンションほど生活音を気にしなくて良いです。また、マンションは入居者全員で組成される「管理組合」に加入する必要があります。一方、一戸建てはそのようなコミュニティはありません。このような違いがあるので、近所付き合いが苦手と感じる人は、独立性の高い一戸建ての方が向いているでしょう。

セキュリティ

セキュリティはマンションの方が優れています。というのも、マンションには以下のような設備や体制が整っているからです。

  • オートロックシステム
  • 防犯カメラ
  • 管理人による友人管理
  • 警備会社と連携しているセキュリティシステム

最近の一戸建てはセキュリティシステムを搭載している建物もありますが、マンションほど設備・体制は整っていないといえるでしょう。ただし、セキュリティの設備・体制はマンションによって異なるので、購入時には良く確認しなければいけません。

防音

防音面に関しては、集合住宅であるマンションの方が戸建てよりも配慮しなければいけません。マンションは鉄筋コンクリート造が多いため、実は木造の一戸建てよりも防音性は高いです。しかし、一戸建ては下階にいるのが家族なので、多少音が響いてもトラブルになりにくいです。一方、防音性が高いとはいえ、マンションの下階にいるのは家族ではなく他人です。そのため、防音性能が良かったとしても、音に関するトラブルリスクはマンションの方が高いでしょう。

防災

防災(火災・地震など)に関しては、マンションの方が安全性は高いです。まず「火災」については、マンションの壁は不燃性のコンクリートですが、一戸建ては可燃性の木造が多いからです。現に火災保険の保険料も、木造の一戸建てより鉄筋コンクリート造のマンションの方が安いです。また、鉄筋コンクリート造のマンションの方が地震にも強いです。社団法人・高層住宅管理業協会が発表した資料「東日本大震災の被災状況調査報告」によると、東日本大震災でマンションが大破した事例はゼロでした。一方、総務省消防庁の資料「物的被害の状況」によると木造住宅は倒壊などの被害が見受けられました。このように、防災に関してはマンションの方が安心感はあるといえます。

生活動線

生活動線は一長一短といえます。マンションは室内に階段がないので、階段の上り下りはありません。そのため、室内にいるときの生活動線はマンションの方が良いでしょう。しかし、特に高層マンションの場合は自分の部屋からマンションのエントランスまで距離があります。朝の混雑した時間帯は、エレベーターを待っている時間が発生することもあるほどです。このように、室内だけの生活動線ならマンションの方が良いですが、室外への生活動線は一戸建ての方が良いでしょう。

マンション・一戸建てを構造面で比較

次に構造面について以下を比較していきます。

  • 広さや間取り
  • 設備や施設
  • 風通しや日当たり
  • リフォーム

広さや間取り

住宅支援機構の資料「2018年度 フラット35利用者調査」によると、土地付注文住宅の広さは平均で約112.2 m2なのに対して、マンションは68.3 m2です。一戸建ては階段の面積も含まれるとはいえ、一戸建てとマンションの広さには大きな差があります。間取りに関しては物件によって異なるので一概にはいえません。ただ、戸建ては100㎡超で3LDKの間取りに対して、マンションは70㎡超で3LDKという間取りが多いです。同じ間取でも一戸建ての方が広いので、居室空間も一戸建ての方が広いといえます。

設備や施設

室内の設備に関してはマンションも一戸建ても大きな差はありません。ただ、マンションにはゴミ捨て場や駐輪場などの共用施設があります。マンションによってはフィットネスクラブやゲストルーム、ラウンジなどの共用施設も用意されています。そのため、施設面でいうとマンションの方が利便性は高いといえるでしょう。ただ、一戸建ては「屋根裏収納」や「床下収納」などマンションにはない収納スペースがあるので、その点は一戸建てのメリットといえます。

風通しや日当たり

風通しや陽当たりは一戸建ての方が優れているケースが多いです。というのも、一戸建てはマンションよりも窓面が多い上に、一面ではなく複数面に窓があります。そのため、風が通りやすく陽の光も室内に採り入れやすいのです。ただ、マンションも「南向き角部屋」や「目の前が開けている」などであれば、風通しや陽当たりは良いといえます。

リフォーム

リフォームの自由度は一戸建てが優れています。一戸建ては建物の所有権が自分にあるので、外装も内装も自分の好きなリフォームを実施できます。一方、マンションの「室内以外の部分」はマンションの所有者全員に所有権があるため、自分だけの判断でリフォームできません。また、室内をリフォームするときも管理組合への届け出や、隣戸への通知などマンション独自のルールがあります。

マンション・一戸建ての選択は、自分に合った選択を

このように、一戸建てとマンションにはそれぞれメリット・デメリットがあります。そのため、どちらがお得かは人によって異なるでしょう。大事なことは、上述したそれぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分にはどちらが合っているか検討することです。そうすれば、自分に合った…言い換えると自分にとってお得な物件が選べるようになります。

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