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建築費5000万円台の注文住宅を建てるのにかかる費用
まずは、建築費5,000万円台の注文住宅を建てるのにかかる費用から見ていきましょう。
注文住宅を建てるのにどんな費用がかかる?
注文住宅を建てるにあたっては、以下のような費用がかかります。
- 土地代
- 本体工事費
- 付帯工事費
- 諸費用
土地代
土地代はどの地域で土地を購入するかで大きく費用が変わります。数百万円で済む場合もあれば数千万円かかるケースもあるでしょう。土地代は地域によっておおよその坪単価が決められており、「坪単価×土地の坪数」でおおよその相場を知ることができます。例えば、坪単価30万円のエリアに50坪の土地を探すのであれば、おおむね1,500万円必要と計算できます。一方、土地を親から相続したようなケースでは、土地代をなしにできますが、建物の解体費用や造成費用が数百万円かかるケースもあるため、あらかじめ見積もりを取っておくとよいでしょう。
本体工事費
住宅本体の価格です。どの住宅会社に依頼するかによって価格は変わりますが、平均的な設備であれば坪単価60万円~80万円と考えておくとよいでしょう。例えば、坪単価70万円、50坪の住宅を建てるのであれば本体工事費は3,500万円となります。なお、住宅会社によってはカタログに掲載の本体工事費が消費税抜きのこともあるため、消費税込みの金額で考えることが大切です。
付帯工事費
屋外給排水工事費や地盤調査費用、外構費用など、本体価格以外にかかる費用のことで、概ね本体工事費の5~10%程度を見込んでおくとよいでしょう。例えば、本体工事費が3,500万円の場合、その5%とすると175万円の付帯工事費がかかる計算です。
諸費用
住宅ローン手数料や火災保険料、固定資産税など住宅以外の手数料や税金の支払いに必要な費用です。こちらも、本体工事費の5%~10%程度見込んでおく必要があり、3,500万円の住宅で、諸費用を5%見込むのであれば175万円となります。
総額でいくらかかる?
上記全て足し合わせると、土地代1,500万円+本体工事費3,500万円+付帯工事費175万円+諸費用175万円=5,350万円となります。ここでご紹介した割合はどの住宅会社で建てるかによっても異なりますし、同じハウスメーカーでもどんな住宅を建てるかによって変わることがあります。特に外構にお金をかけるケースでは上記とは別に数百万円かかるケースもある等、あくまでも目安と考えるようにしましょう。
坪単価の目安
坪単価について、上記では60~80万円/坪としていますが、これも住宅会社によっては100坪を超えるようなケースもあります。なお、一般的には坪数が大きくなるほど坪単価は安くなっていく傾向にあります。最近の住宅では標準設備の住宅でも十分性能が高いですが、例えば全館空調を採用したいといったことか、外壁をメンテナンスフリーのタイルにしたり、おしゃれなレンガにしたりしたいといったケースでは坪単価が高くなると考えておく必要があるでしょう。
建築費5000万円台の注文住宅ってどんな家?
注文住宅の建築費に5,000万円台の予算を用意する場合、どんな住宅を建てることができるのでしょうか?
5000万円台の注文住宅の特徴
注文住宅において、ローコスト住宅は1,000~1,500万円程度、それより少しグレードの高い標準的な住宅の場合で1,500万円~2,000万円というのが一般的で、それと比べたら5,000万円台の注文住宅はよりグレードの高い住宅を建てられるといえるでしょう。もちろん、土地にいくらの費用をかけるかによりますが、先述の通り本体工事費3,500万円の住宅を建てるケースを想定すると、「標準設備で広々とした間取りの住宅を建てるか」、「広さを抑えて設備グレードの高い住宅を建てるか」、「あるいはその中間」等、幅広い選択肢を持てます。例えば、坪単価60万円の標準的な設備の住宅を建てるのであれば、60坪弱の住宅を建てられることになります。ローコスト住宅や標準的な住宅であれば、30坪4LDKの住宅で十分広々と生活できるものですが、その2倍と考えるとかなりの広さを持つ住宅を建てられるといえるでしょう。一方、広さを35坪にした場合、坪単価100万円の住宅を建てることができます。坪単価100万円であれば、アイランドキッチンにしたり、全館空調を採用したり、中2階を設けたりなどグレードの高い設備を複数導入することも可能です。
検討できる設備やオプション
上記通り、建築費5,000万円台の住宅であれば、広さ次第でさまざまなアップグレードした設備を導入できます。例えば、アイランドキッチンであれば標準設備から+50~100万円程度、全館空調であれば+150~200万円程度、中2階であれば+100~150万円程度等費用がかかりますが、これらを複数導入することも十分可能でしょう。上記以外に、ビルドインガレージ(200~300万円程度)やサウナルーム(100~200万円程度)なども可能で、理想の家づくりを目指しやすいといえます。
5000万円台の注文住宅の実例
ここでは、5,000万円台の注文住宅の実例をご紹介します。
千葉県にある60坪弱の注文住宅
最初にご紹介するのは、千葉県にある60坪弱の注文住宅です。こちらは、土地費用を安く抑えた物件ということもあり、広さ60坪という大きさながら中庭や大開口のリビング窓、無垢を採用したフロア材などおしゃれかつ高級感の漂う物件に仕上がっています。建築費5,000万円台にすることで、土地次第では住宅の専門雑誌に出てくるようなおしゃれな住宅も建築可能ということが分かる実例です。
東京都内狭小地に建てられた45坪のハイグレード住宅
次にご紹介するのは東京都内、都心部に近い35坪の旗竿地に建てられたハイグレード住宅で、建築費5,000万円となっています。東京都内都心部は地価が高く、また余っている土地も少ないことからこうした狭小地が候補に挙がることが少なくありません。実際のところ、旗竿地とはいえ35坪確保できているのは十分な広さだということもできます。こうした狭小地での住宅の建築は、重機を入れるのに苦労するといった理由から、通常の注文住宅より坪単価が高くなりがちですが、こちらの実例では45坪のハイグレード住宅を建てることに成功しています。また、狭小地に住宅を建てるとなると採光や通風の問題が生じますが、こちらの物件では建築家に依頼してベストな採光計画と通風計画を策定。満足のいく仕上がりとなっています。
5000万円台の注文住宅はどんな人向け?
5,000万円台の注文住宅を建てるには、当然ではありますがその資金を用意しなければなりません。主に資金面からみたとき、5,000万円台の注文住宅はどんな人に向いているのでしょうか。
年収の目安
まず、住宅ローンを組むにあたり、どのくらいの年収が必要かを見ていきましょう。住宅ローンの借入可能額は、金融機関ごとに定められた審査金利と返済比率から求められますが、住宅金融支援機構のフラット35では、金利1%のとき、年収600万円あれば6,199万円の借入ができる計算となります。まず、多額の自己資金を用意できるのでなければ、建築費5,000万円台の住宅を建てるには年収600万円程度必要だと考える必要があるでしょう。なお、上記はフラット35のケースですが、民間の金融機関では一般的に上記より条件が厳しいことが多く、年収の6~7倍程度までしか借りられないことも少なくありません。例えば、年収の7倍程度を目安に考えるとすると、年収800万円~900万円程度は必要な計算となります。あらかじめ、金融機関ごとにおおよその借入可能額を調べておくとよいでしょう。
貯金はどのくらいあれば良い?
建築費5,000万円台の住宅の購入の際には、住宅価格以外に家具や家電代や引越し費用、について考える必要があるでしょう。これらの費用は住宅ローンでは借りられないため、自己資金で用意しておく必要があります。また、住宅の購入にあたり頭金を入れる必要があります。一般的に、頭金は物件価格の1割程度とされることが多いです。資金が足りない場合は、住宅会社によっては頭金を安くしてくれることもありますが、ここでは建築日の1割分頭金を支払うことを想定し、また家具や家電、引越し費用として200万円費用がかかることを想定すると、おおよそ700~800万円程度の貯金が必要という計算になります。
5000万円台の住宅ローンを借りるイメージ
ところで、5,000万円台の住宅ローンを借りるとなった場合、気になるのは毎月の返済額がいくらになるのか、ということではないでしょうか。ここでは、固定金利を借りるケースと変動金利を借りるケースで、それぞれの返済額を計算してみたいと思います。
固定金利で借りた場合
まずはフラット35など全期間固定金利を利用するケースを見てみましょう。固定金利は金利の変動リスクがない分、一般的に変動金利より金利水準が高くなっています。例えば、フラット35の場合、2020年7月の金利(借入期間21年~35年)は1.3%です。借入期間35年、金利1.3%で6,000万円借りた場合、毎月返済額は約17.8万円となります。先程、フラット35では年収600万円あれば6,000万円超借りられることをお伝えしましたが、実際のところ、年収600万円で毎月17.8万円支払っていくのはかなり厳しいといえるでしょう。
変動金利で借りた場合
次に、変動金利で借りた場合を見てみましょう。変動金利は金利が変動するリスクがある分、固定金利より低い金利水準となっているのが一般的です。例えば、2020年7月時点におけるみずほ銀行の変動金利は、最大で0.625%となっています。借入期間35年、金利0.625%で6,000万円借りた場合、毎月返済額は約15.9万円となっています。先程の固定金利の例と比べると、約1.9万円安くなっていることが分かります。変動金利については、ネット銀行ではもっと低い金利のものがありますし、金利に関わらず頭金を多くいれることで借入額を減らすことができれば、その分毎月返済額も安くなります。また、ローンを借りてから13年間については、4,000万円分まで、住宅ローン年末残高の1%について還付を受けられる住宅ローン控除もあるため、これを考慮して借入額を決めることもできます。6,000万円借入するのであれば、その内4,000万円×1%=40万円分、毎月に直すとおおよそ3.3万円分還付を受けられるという計算になります。
5000万円台の家を建てる際の注意点
最後に、5,000万円台の注文住宅を建てる際の注意点について見ていきましょう。
こだわる箇所やテーマを決める
建築費5,000万円代になると、さまざまなことを実現できるようになりますが、それでも全てを実現できるわけではありません。特に、地価の高いエリアで住宅を建てるとした場合、住宅に建てられる費用は少なくなってしまいます。家を建てる場所を重視したいのか、郊外でもいいので立派な家を建てたいのか、また立派な家を建てる場合、リビングやキッチンをこだわるのか、外見をこだわるのかなど、こだわる箇所やテーマを決めて計画を立てていくことが大切です。
凝り過ぎて住みやすさを犠牲にしない
また、建築費5,000万円代になると、凝った家を建てることもできますが、あまり凝り過ぎた住宅は住みやすさが犠牲になっていることが少なくありません。多くの場合、あくまでも住むことが目的の住宅のはずです。凝り過ぎて住みにくい住宅になることのないよう、注意しましょう。
複数の住宅メーカーを比較する
こだわりたい箇所やテーマが決まったら、それを実現してくれる住宅会社を探すことになりますが、このとき、最初から1社だけに依頼するのは問題です。というのも、住宅会社によって得意な分野は違いますし、提案内容も変わってくることが考えられるからです。例えば、「おしゃれな外観の住宅にしたい」といった場合に、総レンガの外壁にするのと、板張りの外壁にするのとでは両方ともおしゃれではありますが、イメージは全く異なります。また、同じレンガを頼むのでも、住宅会社によって仕入れルートが異なるため、費用の総額も変わってくるのが一般的です。上記のようなことが原因で、結果として損をしてしまうようなことが内容、見積もりを取る段階で複数の住宅会社に依頼することをおすすめします。
理想に近い家を建てられるメーカーを選ぼう
5,000万円代の住宅会社について、費用の内訳や実例、実際に建てる場合の注意点等お伝えしました。建築費5,000万円の住宅となると、さまざまなことが実現可能になりますが、それでも全て理想通りに建てることはできません。計画の段階で複数の住宅会社からカタログを取り寄せたり、見積もりを依頼したりしながら、最終的に、一番理想に近い住宅を提案してくれる会社を選ぶようにするとよいでしょう。
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