建築費2000万円台で建てられる注文住宅はどんな家?実例とポイントを大検証

「どうせなら建売ではなく注文住宅を建てたいけど、2,000万円台の予算でどんな家が建つのだろうか?」こんな風に頭を悩ませている人は、おそらくたくさんいらっしゃるはずです。こういった発言の裏には、おそらく2,000万円くらいならなんとか支払えるという意識があるのでしょう。しかし、2,000万円前半と後半では、建てられる家も資金計画も大きく異なります。そこでこの記事では、2,000万円台で建てられる注文住宅の実例や費用について、詳しく解説していきます。2,000万円台で建てられる注文住宅に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

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建築費2000万円台の注文住宅を建てるのにかかる費用

2,000万円台で建てられる注文住宅について調べる前に、まずは注文住宅に必要な費用をしっかりと把握しておきましょう。この章では、以下の内容について詳しく解説していきます。

  • 注文住宅を建てるのにどんな費用がかかる?
  • 総額でいくらかかる?
  • 坪単価の目安

注文住宅を建てるのにどんな費用がかかる?

まず知っておいていただきたいのは、注文住宅は建築費(本体価格)だけでは建てられないということです。ほかにどういった費用が発生するか、以下にまとめておきます。①建築費:木工事、屋根工事など②付帯工事費:外構工事、屋外給排水引込工事など③諸費用:土地仲介手数料、登記費用など④オプション費用:設備機器のアップグレード、太陽光発電など上記のように、外構工事、屋外給排水引込工事などは建築費に含まれていません。土地の造成や工事中に使用する光熱費なども、「付帯工事費」として別途発生します。おおよその目安として、①70% ②20% ③10% ④追加注文した分だけ、という割合で考えておけば、大きく金額が外れることはないでしょう。

総額でいくらかかる?

2,000万円台といっても前半なのか後半なのかで、支払い総額は大きく変わります。ここでは、建築費2,000万円台前半と後半の場合で総額がどのくらい変化するか、さきほどの割合を当てはめて比較してみましょう。

項目建築費2,100万円建築費2,900万円
付帯工事費600万円830万円
諸費用300万円415万円
支払総額3,000万円4,150万円

上表の通り、元々800万円だった差額は、最終的に1,150万円まで広がっています。この差額分のうち、建築費と付帯工事費は住宅ローンに組み入れられますが、諸費用は住宅ローンでの借り入れはできません。したがって、諸費用を自己資金で用意できるか、まずは冷静に計算してみてください。もし用意できない場合は、諸費用ローンを利用するか、あるいは無理をせずに予算を下げることも検討すべきです。

坪単価の目安

日本では、住宅の建築費を表す目安として「坪単価」が広く使われています。2018年におこなわれたフラット35の調査によると、注文住宅(土地なし)の全国平均面積は、126.8m2(約38坪)です。建築費の平均は3,395万円なので、坪単価の全国平均は89.3万円ということになります。もちろん坪単価は、間取りや建材のグレードなどによっても変動します。ただ、あくまでも概算としてなら、坪数30〜40坪、坪80万円をひとつの目安にしておけば大丈夫でしょう。

建築費2000万円台でどんな注文住宅が建つ?

上述の通り、注文住宅の平均的規模は、おおよそ30坪(100m2)、2,400〜3,300万円台です。この章では、この数字を基準に2,000万円台でどんな注文住宅が建てられるか、実例を交えながら解説していきます。

2000万円台の注文住宅の特徴

2,000万円台の注文住宅がどんな家になるかは、1,000万円台のローコスト住宅や3,000万円以上の注文住宅と比較してみるとわかりやすいです。まず、1,000万円台のローコスト住宅は、とにかくシンプルです。住宅の形は長方形、凸凹のない総2階建てになります。面積も平均の半分程度の15〜20坪ぐらいが目安になるでしょう。また、外壁や内装も、使用する建材は低グレードになります。キッチンやトイレなどの設備機器もベーシックグレードが標準仕様になるはずです。これが3,000万円以上になると、上述の全国平均値に近くなるので、部屋数を増やしたり、キッチンを上級グレードに変更したりも問題なくできます。つい後回しにしがちな、門扉やカーポートなどにも、ある程度予算をかけられるはずです。2,000万円台の注文住宅は、ちょうど1,000万円台と3,000万円台の中間だと思えば良いでしょう。面積も30坪前後が多いと思います。1,000万円台よりも多少予算に余裕が出てきますが、希望をすべて叶えられるほどではありません。したがって、どこにお金をかけてどこを諦めるか、メリハリをつけた計画が不可欠です。

2000万円台の注文住宅の実例

今度は実際に2,000万円台でどんな注文住宅が建てられているか、大手不動産ポータルサイトの中から、気になる物件をチェックしてみました。

2000万円台の注文住宅その1:都市部の狭小住宅の答えがここに!

利便性を一番重要視しているオーナー夫妻が選んだのは、隣との距離が非常に狭い、駅からほど近い狭小地でした。元々日当たりが良くないエリアにも関わらず、玄関まで明るい太陽光が入るのは、2階へ巧みに取りつけられた採光用窓のおかげです。まだ子どもがいないこともあり、寝室と個室の面積を抑え、代わりに広々としたリビングを確保しました。狭小住宅ではどうしても収納が少なくなりがちです。しかし、玄関脇にクロークを作ったので、スーツケース・ゴルフバッグ・レインコートなど、かさばるものを上手に収納できます。その結果、憩いの場であるリビングが乱雑になることもありません。譲れないポイントを絞れば、狭小住宅でも十分快適な空間を作れる見本のような家です。

2000万円台の注文住宅その2:木の温もりを感じられる家

床面積30坪、外壁もよくある窯業系サイディングが使われており、ある意味もっとも平均的スペックな住宅です。しかし、室内にはちょっとした工夫が至るところに見受けられます。たとえば、リビングに数本ある「見せ梁」とシーリングファンです。建物全体のウッディな雰囲気と相まって、非常に落ち着く空間を演出しています。またキッチンは対面式なので、リビングでくつろぐ家族とふれあいながら家事をすることも可能です。階段もリビング内に設置されているので、自然と家族のふれあいが増えました。今回紹介した2軒は、どちらも費用を抑えながら、「ここだけは絶対にゆずれない」というポイントを実現した家です。やはり2,000万円台の注文住宅は、予算のかけどころを明確にしなくてはいけませんね。

2000万円台の注文住宅はどんな人向け?

この章では、「年収」「貯金」といった金銭面から、どんな人に2,000万円台の家は向いているのかを解説していきます。

年収の目安

住宅ローンの借り入れには、「年収倍率」という非常に重要な指標があります。これは要するに、年収の何倍までなら借り入れが可能なのかを示す指標です。通常5〜6倍が適正とされており、仮に年収が600万円なら、どんなに多くても3,600万円以内に収めるのが安全ということになります。ここでもう一度、上述の借り入れ平均額3,395万円を検証してみましょう。同調査によると、3,395万円の注文住宅を建てた人の年収倍率は、6.5倍です。6倍を少し超えていますが、7倍以下ならば許容範囲だと思います。また、借主の年収平均額は約592万円、自己資金は600万円が平均だそうです。この自己資金を差し引くと、借入額は約2,680万円になります。毎月の返済額や返済期間にもよりますが、この結果を見る限り、年収500〜600万円くらいあれば問題なく2,500万円以上は借り入れできるといえそうです。

貯金はどのくらいあれば良い?

今度は、建築費2,000万円台の場合、貯金(頭金)がどのくらい必要なのかを考えていきましょう。まず結論からいうと、建築費が2,500万円の場合で、約560万円の貯金が必要です。内訳を見てみましょう。建築費が2,500万円の場合、支払総額は約3,570万円です。通常頭金は最低でも総額の10%以上、できれば20%以上は用意すべきといわれています。少なくとも住宅ローンに含まれていない諸費用(10%)と新居に必要な家具類などの費用は、自己資金で用意しておくべきです。したがって、冒頭で説明したように、諸費用約360万円と新居に必要な家具類の購入資金201万円※の合計560万円を自己資金で用意しなければなりません。※住宅金融支援機構「住宅取得に係る消費実態調査(2014年度)

2000万円台の住宅ローンを借りるイメージ

必要な頭金がわかったところで、今度は実際に住宅ローンを借りた場合の返済額を計算してみます。固定金利と変動金利でどのように結果が違うか、しっかりと頭に入れておきましょう。借り入れ条件は、以下の通りです。借入額2,500万円、借入期間35年間、頭金別、元利均等返済、ボーナス加算なし、総返済負担率25%以内今回は楽天銀行の住宅ローンシミュレーション※で計算します。

固定金利で借りた場合

今回は、全期間固定金利「フラット35」で計算しました。金利は35年間1.3%で固定となります。返済総額は31,130,418円、利息の支払額は6,130,418円です。毎月の返済は74,120円なので、賃貸住宅を借りるのと変わらない負担で注文住宅を建てられそうですね。ただし、利息支払いの多さが少々気になります。変動金利とどの程度差があるのかは、このあと変動金利の項目で比較します。

変動金利で借りた場合

上記条件で金利0.527%の借り入れをした場合、返済総額は27,381,702円、うち利息の支払額は2,381,702円です。毎月の返済は65,195円ですから、固定金利よりもさらに毎月の返済負担は少なくて済みます。ただし、変動金利は金利上昇リスクがあるので、返済額が増える可能性もあることを頭に入れておいてください。では、固定金利と変動金利を比較してみましょう。

固定金利変動金利差額
借入総額31,130,418円27,381,702円3,748,716円
毎月の返済額74,120円65,195円8,925円

毎月の返済額の差額は9,000円弱なので、そんなに大きな差はないように感じるかもしれません。しかし、35年という長期間になると、金利の差は約375万円にもなります。この金額を多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれです。しかし、固定金利と変動金利の金利差によって、年間10万円以上、負担が大きくなることはしっかりと理解しておいてください。※楽天銀行住宅ローンシミュレーション

2000万円台に予算をおさえるためのコツや注意点

注文住宅を建てたいが、やはり予算は2,000万円台に抑えたいというのであれば、少々工夫が必要です。絶対に知っておきたいポイントは以下の3点になります。

  • コストカットする部分も考える
  • 間取りや家の形状をシンプルにする
  • 複数社を比較する

詳しく解説します。

コストカットする部分も考える

上述の通り、2,000万円台の注文住宅では、絶対に譲れないポイントとそうでない場所をわけて、計画にメリハリをつけることが重要です。たとえば、どうしてもキッチン周りを充実させたいのなら、天板を大理石にしたり、食器洗浄機を導入したりするのも全然構いません。その代わり、ほかの部分をコストカットしましょう。コストカットできるポイントは、探せばいくらでもあります。以下、コストカットが可能なポイントをいくつか挙げておきます。

  • 部屋数を減らす
  • 屋根は片流れではなく切妻屋根にする
  • トイレや洗面所など水回りをできるだけまとめる
  • 窓を減らす
  • フェンスなどの外構工事をやめる

ただし、耐震性・断熱性・耐火性など、重要な性能を損なうコストカットは絶対にやめてください。コストカットをするなら、建物の基本性能とは関係ない部分だけにしておく方が良いでしょう。

間取りや家の形状をシンプルにする

予算を2,000万円台に抑えるなら、間取りや家の形状はとにかくシンプルにしましょう。したがって、1階と2階の形が違う和風住宅は、残念ながらNGです。余分な材料と作業が発生しないように、上下階が同じ形の総2階建てにしてください。また部屋数も、できる限り減らした方が工事費を削減できます。部屋が減れば、間仕切りに余計な材料を使う必要がありません。ドアや窓、収納、照明と、部屋がなくなるだけで大きなコストカットになります。

複数社を比較する

コストカットでもっとも重要なのは、複数の会社が提出したプランと見積もりをしっかりと比較することです。時々、いきなり好きなハウスメーカーと話を進めてしまう人がいますが、これは絶対にやめてください。なぜなら、あなたの中に、提示されたプランと金額が適正であるかどうかを見抜く術がないからです。最低でも2〜3社から話を聞いていれば、他社と比較できるので、ハウスメーカーに主導権を取られてしまう危険性は少なくなるでしょう。また、メーカーごとに、得意な工法や分野は異なります。「この土地では建築は無理です」と言われても、狭小住宅が得意なメーカーと話をしたら、一発でOKだったなんて話はいくらでもあるのです。あとから後悔しないためにも、複数のメーカーの比較検討を徹底していきましょう。

カタログで、さらに具体的にイメージしよう

当記事では、2,000万円台の注文住宅でどんな家が建てられるのかを、実例を交えて解説してきました。また、住宅ローンで注文住宅を建てる際に知っておくべき、年収や金利による違いにも触れてきました。そのほかにも、必要な予算、毎月の返済額など、もう疑問点はすべてクリアーになっています。あとは実際にカタログを手に取り、2,000万円台の注文住宅を具体的にイメージしていくだけです。とはいえ、各メーカーのカタログを1社ずつ取り寄せるのは、かなり手間がかかります。また、比較をするためには、できるだけ多くのカタログを見ておいた方が良いでしょう。

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